日本工業経済新聞社(群馬)
2015/11/17
【群馬】今月にも入札公告へ藤岡総合病院新病棟
公立藤岡総合病院の新病棟建設の一般競争入札が今月にも公告される。運営する多野藤岡医療事務市町村組合は20日に予定されている議会での予算承認後、早々に公告する方針で準備を進めている。昨年の入札が不調に終わり、万を持しての再募集。各地で建設コストの高騰による入札不調が相次ぐ中、同組合は多くの業者の参加を求めている。
2万uを超える病院建設とあって、施工は大手ゼネコンとなることが濃厚。ただ、担当者は「落札業者には下請けなどに地元業者の活用を求める」と話しており、大勢の人が注目する入札になりそうだ。
入札参加資格には、病院建設の実績や経審のP点などを盛り込む。参加業者の所在地といった地域要件は設けない。昨年は指名競争だったが、ことしは一般競争。総合評価ではなく、シンプルに価格のみで比較する内容で、設備工事を含めた一括発注とする。
組合の議会は今月20日に開催する予定。そこで工事費を盛り込んだ予算が可決されれば、その数日後には公告する。公告文は本紙などに掲載する。工事費については昨今の建設コストの上昇を踏まえ、昨年と比べ増額する見込みだ。
新病棟は7階建てで、延べ床面積は約2万1500u。394床を設ける。7階の半分は機械設備の置き場として使う。建設地は既存の外来センター(同市中栗須、3階建て)の駐車場としていた場所で、これまでに地質調査などが行われ、建設に問題がないことが確認された。
新病棟と外来センターは「接続棟」でつなげる。当初は2階部分のみつなげ、1階は車などが通れるようにする計画だったが、利便性を考え1、2階ともにつなげることにした。
このほか、外来棟と入院棟に間に、新たにがん治療などに使う「放射線治療棟」を整備する。RC造3階建て、延べ床面積960u。1階に放射線治療のライナック、2階にがん検査のPET・CTのシステム、3階は機械室のみ造る。
駐車場は職員、来院者含め約900台分確保する。病院敷地内に4百数十台、残りは病院東側に新たに整備する。
新病棟完成後の既存の病棟については「新たな病棟が出来上がるまでに考えなければならない、大きな課題」(組合担当者)とし、まだ活用策は決まっていない。事務所として使う案もあったが、床の強度が基準を満たしていないこともあり断念したという。
担当者は「藤岡市の中心部にある施設。これから組合を構成する自治体と協議して活用策を考えていきたい」と話している。