日本工業経済新聞社(山梨)
2015/11/16
【山梨】県が強靭化計画素案
県は、策定を進めている強靱化計画の素案をまとめた。想定するリスクは@地震A富士山噴火B豪雨・豪雪。主な重点化施策として、建築物などの耐震化の推進、河川管理施設やダムの長寿命化などを設定。土砂災害などによる陸の孤島化対策としては、県内道路ネットワークの整備推進などを盛り込んでいる。
計画では、「起きてはならない最悪の事態」として、「市街地での建物・交通施設等の大規模な損壊や住宅密集地における火災による死傷者の発生」など30事態を設定。最悪の事態を回避するための施策を推進し、県土の強靱化を推進する。
計画の推進期間は、他の計画の指針という性格や中長期的な推進方針を明らかにしていることから、2015年度(平成27年度)から19年度(平成31年度)までの5年間。
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県強靱化計画(素案)の主な重点化施策のうちハード面の施策は次のとおり。
【地震=耐震化などの対策】
◆建築物などの耐震対策の推進=学校校舎などの耐震対策。大規模建築物、避難路沿い建築物、木造住宅の耐震化
◆県庁舎などの耐震化
◆災害に強いまちづくりの推進=電線類の地中化の推進。都市公園の防災拠点機能の強化
◆インフラなどの長寿命化、耐震化=緊急輸送道路の橋梁の耐震化。橋梁・トンネルなどの長寿命化
【豪雨・豪雪=水害対策】
◆洪水被害などを防止する治水対策の推進=河川管理施設やダムの長寿命化。洪水被害を防止する河川整備
◆農地の保全などによる災害対策の推進=浸水・浸食被害を防ぐ農業用水利施設などの整備
【富士山火山噴火対策】
◆噴火観測および監視
◆住民などの避難対策=災害時に備えた県内道路ネットワークの整備推進(県外とを結ぶ高速道路などの整備。富士北麓地域における道路網の整備)
【土砂災害などによる陸の孤島化対策】
◆土砂災害対策の推進=老朽化した治山施設の長寿命化および機能強化。砂防施設の整備
◆道の駅などへの防災施設の整備
◆災害時に備えた県内道路ネットワークの整備推進(県外とを結ぶ高速道路などの整備。スマートICの整備。緊急輸送道路となる幹線道路の整備。避難路となる生活道路の整備。基幹農道の整備。林道網の整備・確保、老朽化した林道施設の長寿命化および機能強化
◆インフラなどの長寿命化、耐震化
◆リニア中央新幹線の整備
【すべての災害に関連する事項】
◆情報収集・発信体制の強化=通信機能の強化
◆地域交通ネットワークの維持=災害時に備えた県内道路ネットワークの整備推進。インフラなどの長寿命化、耐震化。道の駅などへの防災施設の整備
◆自立・分散型エネルギーシステムの導入など=発災後のインフラ復旧対策。自立・分散型エネルギーシステムの導入など
◆老朽化対策の推進=公共施設などの総合的・計画的な管理および老朽化対策の推進