有識者やスポーツ団体関係者からなる「新県立体育館整備検討委員会」(委員長・井原理代香川大学名誉教授)は2回目の会合をこのほど高松市内で開き、これまでの新県立体育館に対する意見を踏まえ、基本的な整備の観点について審議した。この中でアリーナは競技スポーツ施設機能だけでなく、全国規模のコンサートやMICE(マイス)など、多くの集客交流が見込まれるイベントが開催できる交流推進機能を加味した規模の検討が必要と認識では一致。ただし、運営上の収支シミュレーションが前提として、今後、2016年3月中下旬に開催予定の第3回会合までに精査するよう県側に求めた。検討委で15年度末に県中央体育館としての機能、規模や建設地の考え方などを取りまとめる。県はこれを受けて16年度以降に新県立体育館の整備に向け具体化を図る。
新県立体育館の役割について、主に▽スポーツの国際大会、全国大会から地域の大会まで開催できる施設▽県民誰もが気軽にスポーツ・レクリエーション活動に親しめるスポーツ活動の拠点施設▽コンサートやイベントが開催できる香川の魅力や活力の創出に資する施設―とする意見がこれまでに出された。
事務局の県教育委員会はこれらを「競技スポーツ施設」、「生涯スポーツ施設」、「にぎわい創出施設」の三つの機能に整理。競技スポーツ施設ではメーンアリーナの競技場の大きさで▽ハンドボール2面、バスケットボール3面、バレーボール4面―の必要コート数を確保▽天井高や照明等の設置は全国大会等の基準に基づき開催できるレベル▽室内球技、体操、武道など多用で大規模な競技大会に対応できる仕様▽観客席は5000席程度(競技種目や規模に応じ対応できるよう固定席のほか可動席も設置)―などと検討委に報告した。
サブアリーナにはメーンアリーナを補完しハンドボール1面、バスケットボール2面、バレーボール2面を確保。アリーナ付属室(選手控室ほか)、トレーニングルーム、共用部(ホールやロビー、保育・授乳室等便宜施設)、用具類等運搬車用の駐車場の確保の必要性を示した。
また、県民に親しまれる(生涯スポーツ)施設に関し、メーンアリーナとサブアリーナで他のスポーツ大会等と同時開催でき、多目的ルーム、会議室・研修室やスポーツ付属施設、売店、飲食施設を挙げた。交流推進施設ではこれらの機能に加え、観客席と音響設備、出演者用の控室などを整備の観点として検討委に示し、規模や機能の検討のたたき台に挙げた。
このほか、建設地・管理運営手法では県の財政負担をできるだけ軽減する方法を前提に、PFI方式、公設民営(指定管理者制度)、公設直営の方式を提案。建設地の考え方として基本的な機能を生かすことができる立地条件(交通機関が利用しやすい場所が望ましい)とする整備の観点を検討委に示した。
提供:建通新聞社