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大分建設新聞社
2015/11/17

【大分】長寿命化計画順調に、大分市の水資源再生センター

 大分市は、下水道施設の長寿命化に向け、25年度から29年度までの長寿命化6ヵ年計画を立てている。計画に基づいて、毎年度国に予算を申請しているが、国は近年、国民の安心・安全を重視しており、概ね計画通り進んでいるようだ。
 市は、市街化区域では下水道敷設を基本とし、全体計画区域1万650fを設定する中で、地勢・水系などによって5処理区に分割し、汚水7467f、雨水7381fについて事業計画を作成し整備している。
 市の下水道普及率(処理人口/行政人口)は27年3月31日現在60・8%と、全国の都市部では低水準のため、毎年度巨費を投じて管路を布設しているが、近年の下水道普及率の向上は、毎年1%以下という状況が続いている。
 一方、管路はもちろん、水資源再生センター(下水処理場)の今後の維持補修管理、長寿命化が大きな課題になっている。特に、築38年を経過したセンターもあり、土木、建築、電気、機械など設備更新には大規模な投資が必要になる。市は、市内5つのセンターの長寿命化の計画を策定した。
 長寿命化する設備などは、15件あり、27年度中に6件が完了する。残り9件は28年度から29年度にかけて整備する予定。先日、弁天水資源再生センターの機械・電気設備改築(水処理・汚泥濃縮設備)と、原川水資源再生センターの機械・電気設備改築(酸素発生装置改築と沈砂池の改築)の2件の設計業務委託が、28年3月15日までの履行期間で一般競争入札に付されているが、必ずしも28年度に工事が発注できるかどうかはわからないと、市の担当者は言う。基本的には29年度末までに、計画中の長寿命化案件について、対策を終える予定だ。
 一方、別表の15案件以外にも、早急に対策が必要な案件や設備更新が必要になる場合があり、長寿命化計画が流動的にならざるを得ない場合もあり得る。
 市の下水道会計は企業会計を導入し、26年度の赤字解消を目指していたが、下水道は、巨額の設備投資が必要な上にそれに見合う料金収入を得るのが難しく、維持更新・長寿命化も必要なことから、やむを得ない面もあるようだ。水道事業は民間に移管する市町村もあるようだが、下水道は難しいという。

提供:大分建設新聞社