日本工業経済新聞社(群馬)
2015/11/16
【群馬】県東部農業が来年度大久保で排水対策事業化
県東部農業事務所農村整備課は、太田市内で計画している大久保地区の排水対策を来年度から事業化するため、準備を進めている。同地区では、約125haを対象に、地下浸透型の調整池5カ所、排水路L8・4qの工事を予定。本年度は計画書を作成中で、来年度から事業化されれば2021年度の完了を目指していく。
大久保地区を含む薮塚西部地区では、排水を担う河川がないことから、台風などの大雨時に湛水被害が発生。昨年10月の台風18号でも、153oの降水に際し、農地と宅地が混在する地域で雨水があふれる事態となった。
当初は太田市が調査に着手し、14年度から県が引き継ぎ、薮塚西部地域333haで基本的な計画を立ててきた。その中で、同地域を3分割し事業化を目指すことになり、まず北関東自動車道以南、一般県道大原境三ツ木線以西の大久保地区125haから取り組む考え。
詳細設計は来年度に作成する予定だが、現時点では地区内に地下浸透型の調整池を5カ所造成し、各所へつなぐ形で集落排水を含む排水路(U字溝)の新設、計8・4qを実施する。太田市が実施した調査や県東部農業事務所農村整備課が作成する調査計画設計などは、プロファ設計(伊勢崎市)が担当している。
同地区の現状は、農地77ha、宅地48haとなっている。薮塚西部地域は付近に河川がなく、河川流域も複雑。さらに南側で宅地化も進行。都市化や地域開発に伴う排水の増加により、湛水被害に悩まされ、農家は個人で排水路や小型の調整池をつくるなどの苦労を強いられてきた。また、市によると、この地域は小玉スイカなどが名産で、道路から畑地への雨水流入も営農上の障害となるため、農家から対策を求める陳情が寄せられていた。
同地区の完了後、大原境三ツ木線以東や北関東自動車道以北といった別地区でも、対策を実施していく考え。南にある新田地域は、すでに排水施設が整備されている。