金沢市内では今年、年初から北陸新幹線開業に併せて大手、地元組が競うようにマンション計画を次々と発表し、『マンション建設バブル』の様相を呈している。
まず1月に積水ハウスグループの積和不動産中部(愛知)が北陸3県初の分譲マンション「マストスクエア金沢」を発表。金沢駅から徒歩1分の場所に、RC造15階建て延べ1万3391平方メートルに97戸を収容。最上階には1億6000万円を超える物件も予定され、来年11月の完成に向けて工事が進められている。
街なかでは北國銀行旧本店跡地に三菱地所グループ(東京)でマンションブランド「ザ・パークハウス」を全国展開する三菱地所レジデンス(同)が名乗りを挙げた。日本海側への進出は初めてとなる。現在、既存施設の解体が進められており、具体的な計画の発表が待たれるところだ。
地元組の大和ハウス工業金沢支社もその勢いが止まらない。駅西エリアで3棟目の「(仮称)プレミスト駅西本町新築工事」はRC造14階建て延べ5939・67平方メートルで51戸を収容。17年3月の完成を目指す。
市中心部の広坂通りでも「(仮称)プレミスト香林坊新築工事」を建設中だ。RC造地下1階、地上14階建て延べ1万4205平方メートルに総戸数115の大型マンション。兼六園や金沢21世紀美術館、金沢城公園などが徒歩圏内という都心部の一等地で地域ナンバーワンのブランド力を発揮する構えだ。
同じく地元組のアパグループのアパホーム(金沢市)も同市泉が丘2丁目で分譲マンション「(仮称)プレミア〈金沢泉が丘〉新築工事」を計画している。RC造7階建て延べ6089・48平方メートルで金沢の文教地区という好立地。工事着手が待たれている。
10月には金沢駅武蔵南地区市街地再開発事業に大京(東京)が事業協力することが明らかになった。再開発準備組合と大京の間で事業協力の協定書が締結されたもので、施行区域は安江町地内の約0・5ヘクタール。事業手法は第一種市街地再開発事業を予定している。
新幹線開業効果で全国から関心を集める金沢。フージャースコーポレーション(東京)が2棟目の検討を進めるほか、タカラレーベン(同)も適地調査を展開しているとみられ、金沢のマンションバブルは今後さらに熱くなっていきそうだ。