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建通新聞社四国
2015/11/13

【高知】高知県観光振興部 足摺海洋館基本設計費を12月補正予算案に計上予定

高知県観光振興部は、足摺海洋館を改築するため、12月補正予算案に基本設計などの委託料を計上する予定。基本設計者の選定に向けては、12月議会終了後から年明けにかけ公募型プロポーザル方式で要項を通知し、審査などを経て3月までに決定する予定でいる。
 公募型プロポーザルの参加資格については、同種の建築物の実績がある設計事務所と県内の設計事務所による設計共同体で検討している。全体工程は、基本設計を12カ月、続いて実施設計を10カ月の期間で進め、2017年末に設計業務を完了させる方針。18年の年明けに新築に向けた入札を行い、19年度末に施設を完成させ、20年度の初めに生物の移設、既存施設の解体、外構整備などを行い、20年夏のオープンを目指す。
 これまでの検討委員会を経て県が策定した基本計画によれば、規模は2階建てを基本とする延べ3000〜3500平方b。現敷地南側にある約5000平方bの国有地を取得し、敷地を拡張させ、既存館の西側に新館を建設。完成、移設後に既存館を解体する方針。建設コストは、新築に25億4000万〜29億6000万円、解体に1億8000万円を見込む。
 基本設計・実施設計の進め方としては、展示生物の決定や展示手法の検討などについて、学識経験者による委員会を設置し、意見を交換しながら進めていく。ハード面では、配置計画や工程計画をボーリング調査を踏まえて詳細を検討する。また基本コンセプトの検討や展示生物の選定などのソフト面も検討課題とする。ボーリング調査については、12月補正予算案で委託費を計上する予定にしており、基本設計とは別に年明けに外注する方針。
 展示計画では、400〜500dの大水槽を設置しサンゴの群生を表現したり、30〜50dの中規模の水槽を複数使い足摺半島の海底の特徴的な地形を造作的に作り込んだり、パネル、模型、標本などで多種多様な自然や生物を展示する方針。屋外ゾーンとしてデッキテラスや海を生かした親水空間の設置も検討する。
 構造計画では、台風、強風、波浪など厳しい自然環境にあることから合理的な架構計画を行い、鉄筋コンクリートの躯体には十分なかぶり厚さを見込み、鉄骨部は十分な防錆対策を検討する。液状化対策として詳細なボーリング調査で基礎形式を決定し、南海トラフ地震で震度7が想定されているため、耐震性の高い建物とする方針。また想定津波浸水高が15〜20bであり、基本設計で建物内の避難スペースや周辺高台への避難経路などの防災対策も検討する。
 既存施設の規模は鉄筋コンクリート造地下1階地上3階建て延べ2425平方bの本館など。所在地は土佐清水市三崎4032。

提供:建通新聞社