鹿児島建設新聞
2015/11/11
【鹿児島】県建設業青年部会が県と意見交換、「現状では休工日増やせない」
県建設業青年部会(有川裕幸会長)は10日、鹿児島市の県建設センターで県との意見交換会を開いた。設計・積算や入札契約制度、現場運営の課題を柱に、今後の改善策などを協議。標準工期の見直しに関する要望では、「休日の仕事が恒常化すると、若年者の入職にもマイナス影響が及ぶ」とし、担い手確保の観点も踏まえた対応を求めた。
会には、青年部会の役員や各支部から33人、県の土木・農政・環境林務部から10人が出席した。
標準工期の見直しに関しては、業界側が「最近の若年者は、日曜日しか休みが取れない状況を嫌がって建設業から離れていく。現況の標準工期で土日祝日を休工日にすると、とても工期内の完成は難しい」とテコ入れを要望。これを受けて県側は、「見直しについては難しい部分もあるが、工期延長での対応は正当な理由があれば検討すべき。必要に応じてしっかり声を上げてもらい、担当者と協議してほしい」と答えた。
このほか業界からは、施工条件や現場の状況に見合った交通誘導員の計上を求める声や設計図面と現場との差異が生じた場合の対応の在り方、施工管理の項目に関する各発注部局の統一化などの要望が上がった。
有川会長は「現場の改善なくして、担い手確保や技術者の育成など根本的な課題は解決できない。こうした意見交換の場を通じて、次世代に魅力ある建設業を引き継いでいくこともわれわれの役目」と強調した。
県土木部の田中寛工事監査監は「受発注者双方の立場から多面的な視点で意見を交わすのは公共工事において欠かせないこと。一緒になってより良いインフラ整備につなげていきたい」と今後の展開に期待を込めた。