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日刊建設タイムズ社
2015/11/09

【千葉】署名3万3千人とともに/早期完成と予算確保/県地籍調査推進委が県に要望書

 千葉県地籍調査推進委員会(小安隆夫委員長)は6日、県庁の橋渡副知事を訪ね、「地籍調査事業の早期完成と予算確保」についての要望書を手渡した。本県における地籍調査の着実かつ早期完成のためのさらなる予算拡充とともに、県の事業量に対する国当局への補助金の確保の要請、併せて、未着手の市町村に対するあらゆる機会を通じての積極的な取り組みを促し、より一層の事業の推進を森田健作知事に要望したもの。今回の要望書提出に伴い実施した署名活動では、県内全体で3万3000人の賛同を獲得。これまでに行った4回の署名活動で得た地籍調査事業への賛同者は、累計で7万人に及ぶ。
  4回の署名活動で累計7万人
 千葉県地籍調査推進委員会は、(公社)千葉県測量設計業協会、千葉県土地家屋調査士会、(公社)千葉県公共嘱託登記土地家屋調査士協会、千葉県測量設計補償協同組合の4団体で構成。この日、県庁を訪れたのは、酒井茂英・県議をはじめ、同委員会の小安委員長(県測量設計業協会会長)、笠原孝・副委員長(県土地家屋調査士会会長)、高橋宏明・副委員長(県公共嘱託登記土地家屋調査士協会理事長)、影山喜一・副委員長(県測量設計補償協同組合理事長)のほか、石塚修・総務企画部会長((一社)長生郡市地籍調査協会代表理事)、大岩英夫・技術部会長、山崎幸一・事務局長(随行者)の8人。
 土地の戸籍、復旧/復興を円滑・迅速
 要望書では、地籍について「『土地の戸籍』ともいわれ、本事業の推進は土地の境界の位置と面積を明確にすることで、土地取引を円滑化し、県民の経済活動を迅速かつ活性化するとともに、社会資本整備事業の推進など様々な行政場面での活用にも資するものであり、絶大な効果をもたらす事業。また、地震、風水害等の災害が起きた場合、地籍調査が実施されていれば、個々の土地が地球上の座標値で表示されるため、元の位置を容易に確認することができ、復旧・復興事業を円滑かつ迅速に進めることができる」と強調。
 2011年に未曾有の被害をもたらした東日本大震災の際も「地籍調査を実施しているか否かで、復旧・復興の早さの違いが実証され、地籍調査の重要性が再認識された」とした。
 全国平均を大幅に下回る喫緊の課題
 これらの中で近年は、県内はもとより全国の市町村において、新たに事業化する動きが活発化。特に本県では、近い将来に発生する確率の高い、東京湾を震源とする首都直下型地震をはじめ、東海・東南海地震に対する備えとして「地籍調査の実施は『喫緊の課題』である」と訴えた。
 国及び県においては「地籍調査の積極的な推進のための事業予算の拡充に努められている」とし、同委員会としても「2004年の設立以来、県とも連携をしながら、実施主体である市町村への働きかけや地域住民に対しての必要性、有効性等の理解を深めるための啓発活動を展開してきたところ」としたうえで、本県の地籍調査の進捗については「未だに全国平均を大幅に下回る状況にあり、未着手の市町村が多数存在しているのが現状」と指摘。
 「地方創生」に不可欠
 同委員会では「地籍調査が、安全・安心の県土づくりのためだけでなく、地域の活性化を通じて『地方創生を図るうえで必要不可欠な事業である』との考えのもと、引き続き事業推進に協力していく」との決意を示した。
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