日本工業経済新聞社(群馬)
2015/11/09
【群馬】県利根沼田環境森林事務所が5年計画で谷止工など整備
県利根沼田環境森林事務所は、2014年度から5カ年計画で谷止工15基などを整備する治山事業を、川場村中野の小田川で実施している。本年度は谷止工3基の工事が予定され、来月初旬にも発注される見通し。今月中を目途に、沢の上流から工事が行われている谷止工5基が完成する。同事務所は、来年度以降に残り7基と流路工の整備などを予定している。対象となる沢は薄根川の支流。渓流荒廃が進んでいることから、地元の要望を受けて事業化された。
全体の事業概要は、同地域を流れる薄根川の支流を対象に、コンクリート製の谷止工計15基と流末にL約70mの流路工を計画している。2014年度から5カ年計画で進め、計画延長は約1300m。総事業費には、約2億円を試算している。
工事は沢地形に沿って上流側から工事が進められており、昨年度からの繰り越しで5基の谷止工が現在進行中だ。工事の完了は、今月中を予定している。
来月には谷止工3基が発注され、コンクリート打設量は計約563立方mを見込む。来年3月末の完成を目指している。谷止工の規模は、上流側から◇1基目がL約21・5m、H約6・5m◇2基目がL約20・5m、H約6m◇3基目がL約17・5m、H約5m−となる。施工箇所は、現在の施工箇所から続けて上流から下流へと工事を進めるため、5基の施工完了を待って発注となる。施工中の5基はL15・5〜18・5m、H4・5〜5・5mで、コンクリート打設量は計約720立方mとなっている。
計画段階だが、来年度に谷止工3〜4基、その後に残りの谷止工と流路工L約70mが順次発注される。谷止工は、どれも同じような規模になるようだ。流路工は、2面のブロック積みで検討されている。
今回の発注内容にも含まれるが、既設の作業道を工事用道路として使用するため、陥没箇所などを補修するといった工事も組み込まれる。
設計は、群馬県森林組合連合会(前橋市)が作成した。谷止工3基と流路工L約70mの設計が残っているため、同事務所は来年度以降に測量業務の委託を検討している。順調に進めば、詳細設計業務も同年度に委託したい考えだ。