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北陸工業新聞社
2015/11/09

【新潟】2800人参加、各機関の連携強化/日本海側初大規模津波防災訓練/国交省ら

 国土交通省および県、新潟市、聖籠町は7日、聖籠町の新潟東港において日本海側で初の「15年度大規模津波防災総合訓練」を実施した。
 スマトラ島沖大地震に伴うインド洋津波被害を契機に05年度より毎年行っているもので、大規模津波の被害軽減、知識の普及・啓発を図るため国、地方公共団体など94機関や地域住民、企業ら約2800人が参加した。
 訓練に先立ち、山本順三国土交通副大臣が「実践型の訓練で、緊急度の高い行動を確実に実施できるよう、技術力の向上、安心安全の向上に資することに努める」とあいさつ。泉田裕彦県知事は「体制を整えるために時間を割くことはもったいない。顔の見える関係構築を」と訴え、篠田昭新潟市長は「新潟は海岸線が長く津波への備えが最重要課題。ハード、ソフト両面を発展させたい」と述べ、渡邊廣吉聖籠町長が「住民の生命を保護していく責任を果たすため、訓練を意義のあるものに」と話した。
 会場では、航空機を運用した情報収集・映像伝送訓練やヘリコプターによる漂流者吊るし上げ救助訓練のほか、港湾施設被害調査訓練、道路・航路啓開訓練、被害者搬送受入・医療救護などが行われた。また、新潟市中央区沼垂の新潟西港周辺では、住民避難訓練を実施。展示エリアには災害対策用機械や計測震度計、3D海底地形図など28ブースが設置され、親子連れが楽しんでいた。

「津波の日」を国際標準に/山本国交副大臣が訓練視察

 航空機や船舶、陸上での訓練を視察した山本副大臣は記者団に対し、「人命を守るには訓練をしっかり行い、初動体制が重要であることを認識してもらうことが必要」と感想を述べた。
 また、「合同訓練の成果を検証し、必要なものを調整していかなければない。津波から身を守るために、また、いざという時に生かしていきたい」と意気込みを語った。これからの動きとして、「11月5日の『津波の日』を世界の日にするため活動している。いろいろな機会を通じて、国際標準になるよう一歩一歩進めていきたい」と、防災意識のさらなる向上へアピールした。

hokuriku