県県土整備部は、九十九里・南房総沿岸部での災害時に緊急車両等の迅速な通行ができるように、最低限のがれき処理や段差解消などを行い、救命・救援ルートを迅速に確保する道路啓開候補路線を選定した。路線は3段階で開通。ステップ1で県外からの受け入れを確保するため高速道路など広域的路線を開通させ、ステップ2で被災地へ向かう最短の路線を開通。最終のステップ3で被災地の沿岸部の道路を開通させる。
道路啓開候補路線は、千葉県津波浸水予想図に基づき、九十九里・南房総沿岸部で約10m規模の津波被害が発生したことを想定し、被害地域への救命・救援ルートを迅速に確保するために選定。東日本大震災で実施された、内陸部の東北自動車道などから沿岸部に伸びる国道へと救命・救援ルート確保に向けて道路を切り開く「くしの歯作戦」の千葉県版として位置付けた。
候補路線は、ステップ1が圏央道、館山自動車道、富津館山道路、東京湾アクアライン連絡道、銚子連絡道路の5路線、ステップ2が国道126号、主要地方道八日市場野栄線など20路線、ステップ3が銚子停車場線など10路線の合計35路線(一部重複)。
ステップ1で銚子連絡道路の松尾横芝ICから圏央道を結び、東京湾アクアライン連絡路の木更津金田ICまでと富津館山道路を経て館山自動車の富浦ICに至る高速道路を開通させ、県外からの受け入れ体制を確保。ステップ2で高速道路のICから沿岸部の被災地へ最短で向かう県道、国道を確保し、最後のステップ3で沿岸部の被災地の県道や国道を開通させる。
候補路線は、県県土整備部道路計画課、道路環境課、県土木事務所、千葉国道事務所、東日本高速道路、県道路公社などで組織する検討会で検討を行い、決めた。今後は、市町村に周知するほか、道路啓開の実施方法や体制の整備等をとりまとめ、県土整備部震災実働マニュアルや県地域防災計画等に位置付ける。
候補路線は次の通り。
▽ステップ1=圏央道、館山自動車道、富津館山道路、東京湾アクアライン連絡道、銚子連絡道路
▽ステップ2=国道126号、主要地方道八日市場野栄線、主要地方道成田松尾線、主要地方道松尾蓮沼線、東金九十九里有料道路、主要地方道五井本納線、主要地方道茂原白子線、国道409号、国道128号、国道297号、国道465号、主要地方道君津鴨川線(房総スカイライン有料道路)、主要地方道千葉鴨川線(鴨川有料道路)、国道127号(館山バイパス)、県道館山港線、国道410号、県道外野勝山線、主要地方道竹岡インター線、国道16号、主要地方道袖ヶ浦中島木更津線
▽ステップ3=主要地方道銚子停車場線、県道外川港線、県道銚子公園線、県道愛宕山公園線、主要地方道飯岡一宮線、国道128号、国道410号、県道南安房公園線、国道127号、国道465号