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大分建設新聞社
2015/11/06

【大分】南海トラフ地震を想定、九州全域で実動訓練

 九州地方整備局は4、5の両日、南海トラフ巨大地震を想定し、広域実動派遣や情報共有、道路と航路啓開など、地震や津波の防災訓練をした。今回初めて陸上自衛隊第8師団や第七管区海上保安本部と連携して訓練を行い、宮崎県警本部、九州防災連絡会など、九州地整と災害協定を結んでいる団体など、山口県下関市を含む九州全域の10ヵ所に訓練会場を設け約300人が参加した。
 広域実動派遣訓練(参加者190人、対策車両60台)は、被害の大きい九州東側地域に西側からTEC―FORCE(緊急災害対策派遣隊)隊員や対策車両を派遣。陸自や海保と連携し、派遣隊集結拠点の道の駅ゆふいん、道の駅おおの、都城国道維持出張所に集結後、災害対策本部からの情報提供や指示を受けて被災地(想定)に向かった。
 宮崎市で行われた道路啓開訓練は、九州地整と陸自、宮崎県警、宮崎市消防局などが連携してがれきを撤去。北九州市での航路啓開訓練では清掃兼油回収船で漂流物回収訓練や、海保の船舶などと連携し海底状況確認訓練などもした。
 情報共有訓練は、福岡県久留米市の九州地整九州防災火山・技術センターに、警察庁、厚生労働省、DMAT事務局などの九州防災連絡会関係機関が集まり、災害対応を訓練。
 大分市内では、西新地の津留雨水排水ポンプ場で緊急排水訓練。遠方から派遣された排水ポンプ車(2台)と照明車が予定通りに目的地に配備できるかどうかを確認、被災状況調査の訓練もした。下郡の県教育会館では、映像送信訓練があり、情報収集車を配備して被災地の状況を調査、衛星小型画像伝送装置(Ku―SAT)から、対策本部に映像を送る画像の伝達訓練をした。
 緊急排水訓練を指揮した九州地整の古木慎一九州圏広域地方計画推進室副室長は「ここでは河川被災を想定し、排水ポンプ車を効率、安定的に配備できるかを訓練した。今回の訓練は、燃料の補給や復旧要員がスムーズに交代できるかや、ほかの復旧作業に支障が出ないかなど、計画、実行、管理など九州全域で効率的に進めるよう訓練している」と話していた。 

提供:大分建設新聞社