三重県雇用経済部は、北勢地域を対象にした「産業用地可能性検討調査」に着手する。北勢地域における広域道路網の整備が進む中、今後の企業進出のニーズに対応できるよう産業用地として可能なエリアを検討するための基礎調査を行う。調査は企画提案コンペで、オオバ三重営業所(津市)を最優秀提案者として選定した。調査工期は2016年3月11日。
調査対象地域は、四日市市、桑名市、いなべ市、東員町の3市1町。同地域では、東海環状自動車道西回り線の工事進捗により、東員インターチェンジ(IC)〜新四日市ジャンクションが15年度開通予定で、その後も、東員IC〜大安ICが18年度開通予定など、その他の高規格道路も含めて、広域の道路ネットワークが構築され、産業用地としてのポテンシャルが高まるものと見込まれている。そこで、今回の調査で、今後設置予定のICなどの周辺地域を対象に、新たな産業用地として開発可能なエリアを検討するため、土地利用状況や法規制などを調査する。
具体的には、現況を整理するため、県、市町の上位計画を踏まえて、▽現在ある大規模工場や産業団地などの立地状況、構想の把握▽土地利用現況や法規制(農業振興地域など)―などを把握する。その上で、適地選定の方針・基準を設定する。具体的には、適地選定の評価指標・評価点の設定、開発ポテンシャルおよび保全度評価などを検討する。さらに産業用適地の選定では、エリアの選定や比較検討を行い、実現方策としてモデルケースも検討する。
県がまとめる工場立地動向(電気事業を除く)によると、この10年間で全県では、09年の32件、84fをピークに減少傾向が続き、14年には15件、16fと大幅に減少した。このうち北勢地域は、同様に09年の18件、47fをピークに、以後は減少し、14年には7件、7fとなった。
企業誘致の推進に向けて、県ではマザー工場型拠点立地補助金制度など各種の補助制度を備え誘致を促している。さらには、「三重県企業拠点強化(本社機能移転等)促進プロジェクト」が10月2日に国の認定を受け、三重県への本社機能移転や機能強化の際に、国の特例措置の活用も可能になった。
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建通新聞社