1993(平成5)年に「道の駅」制度がスタートし、今年で23年目。その果たす役割も通過交通や単なる休憩施設から、地元の特色を生かした地域の活性化や観光、防災拠点としての位置付けにシフトしている。石川県内には23カ所に設置されており、現在、羽咋、白山両市で24、25カ所目の開設に向けて計画が動き出している。
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羽咋市では、のと里山海道千里浜インターチェンジ(IC)付近の用地約1万9200平方メートル(県道若部千里浜インター線沿い)に、市内初となる「(仮称)道の駅はくい」を整備する。
全体コンセプトは「人と自然が生み出す、魅力・活力・つながりの場の創出」だ。地元の自然栽培で採れた農作物や、ジビエ、鮮魚などの6次産業化を支援するとともに、地域のコミュニティーが気軽に交流できるにぎわい空間をつくり出す。
建物はS造平屋建て建築面積1184・40平方メートル程度。内部には、物産の開発・加工スペースやパン工房、物産売り場、コーヒー・ジェラート販売のブース、フードコートなどを配置。フリーマーケットなどにも利用できる軒下空間も設ける。
屋外に足湯、砂像体験コーナー、砂像広場、棚田広場(イベント広場)、防災エリア(一時避難所)などを配置。駐車スペースは普通車145台分、大型車5台分を確保する。
千里浜なぎさドライブウエイからの連続性や、海辺のリゾートを想起させる白色を基調とした外観とし、能登地域の他施設との差別化を図る。今年度は設計が進められ、16年度に着工する。17年夏のオープンを目指す。
国道8号の宮丸町南交差点南側の敷地約3万平方メートルに整備予定の白山市の道の駅「(仮称)白山」。国土交通省と連携した「一体型」として計画しており、来年度の着工、18年春の開業を目指している。
市内3カ所目となる道の駅は「背後に広がる優良な田園風景と、白山連峰を望む眺望」を阻害することなく、地域振興施設や周辺広場などを配置する。利用者が雄大につながる白山を堪能できるよう工夫する。
地域振興施設を中心に、トイレ、道路情報案内施設、休憩所、雨水排水調整池(約3740平方メートル)、防災備蓄倉庫、非常用発電機などを設ける。駐車スペースは大型、小型車などを合わせ225台分を確保する。
「山―川―海 そして 雪 いのちを育む水の旅」をテーマに、ジオパークガーデンや親子で楽しめる憩いの広場なども整備し、地域活性化につなげる考えだ。今後、用地取得を進めるとともに、デザインや具体的な施設規模なども決めていく。
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県内の道の駅は、珠洲市3カ所、輪島市4カ所、能登町1カ所、七尾市4カ所、中能登町1カ所、志賀町2カ所、かほく市1カ所、津幡町1カ所、内灘町1カ所、白山市2カ所、能美市1カ所、小松市1カ所、加賀市1カ所の計23カ所。昨年4月には、中能登町の国道159号沿いに「織姫の里なかのと」がオープンしている。