日本工業経済新聞社(群馬)
2015/11/04
【群馬】渋滞緩和へ対策検討 国道17号元総社町南交差点
国土交通省高崎河川国道事務所は、国道17号元総社町南交差点の渋滞緩和や歩行者の安全対策に乗り出す。交差点角に家電量販店のヤマダ電機などがある渋滞箇所で、国道から流出する交通と流入する交通それぞれの渋滞対策を検討。歩行者の安全性を高めるため、信号表示の方法を見直す。今後より詳細な調査・検討を行っていく。
先月開催された「群馬県移動性・安全性向上委員会」で、検討内容が明らかになった。国道17号の渋滞箇所の一つ、元総社町南交差点について現況調査を行い、交差点4方向それぞれの問題点とその対策案を示した。
高崎方面からの交通では、前橋市街地方面へ右折する車の処理容量増を課題にあげた。交差点は関越自動車道前橋IC近くに位置。また交差点を右折した先はJR上越線などをまたぐ跨線橋につながるため、交通が集中する。右折車線はあるものの、それを上回る量の車が列を成し、車線に入りきれない車が直進車にも影響している。右折信号は21秒間出るが、さばききれず、数回信号が変わるのを待つケースも多い。
これに対しては、右折信号を長くする案と、右折車線を増やす案の2つが提示された。右折信号は現在の21秒から36秒へ15秒間延ばす。右折車線は、現在の直進車線の一つを右折車線に変えるというものだ。それにより右折容量が増え、混雑緩和につながるという。仮に右折車線を増やした場合、その後の交通状況によっては直進車線を増やし、5車線化することも検討する。
反対側、渋川方面からの交通については、前橋市街地方面へと左折する車の滞留は見られるが、青信号の時間も長く一定の交通処理ができているとし、特に対策は行わない。
国道の北側、元総社町方面の市道から国道へ流入する交通では、市道の線形が悪く、道幅も狭いことから、見通しが悪い点を指摘。対向車が見えにくいため、右折車がなかなか曲がれず、接触事故の危険性もある。
これについては市道のため、前橋市が行っている区画整理とともに今後対策を検討していくとした。
その反対側、前橋市街地から国道に流入する交通では、直進・右折混合車線での接触事故の危険性が問題視された。
車線は現在、左折・直進右折混合・右折の3車線。対策として4車線化し、直進右折混合車線を分ける。それにより直進車と右折車の近接事故の危険性を下げ、右折容量も増やす。現在の各車線幅は3mで、これを2・75mに縮小。中央帯の幅も1・5mから0・5mに縮小することで1車線増やすことが可能だ。
また、この箇所については、左折車による歩行者の巻き込み事故防止策も示された。
現在は左折専用信号が消えた後すぐに歩行者用・自動車用ともに信号が青になるため、左折車が流れている中、歩行者は横断歩道を渡り始める。このため左折車が止まることができず、巻き込み事故が起きる可能性があると指摘。対策として、左折信号から青信号へと変わる間に黄色・赤信号を挟み、一旦左折車の流れを止める方法が提案された。同事務所では今後、これらの方法を軸に、さらに対策の検討を進め、早期の渋滞緩和と安全性の向上を目指す。