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北陸工業新聞社
2015/11/04

【石川】谷口吉生氏に設計委託へ/金沢市建築文化拠点施設

 金沢市は、東宮御所や迎賓館和風別館などを設計した建築家の故谷口吉郎氏(同市名誉市民・文化勲章受章者)の生家跡(寺町5丁目地内)で整備を目指す「建築文化拠点施設(博物館施設)」について、設計業務を吉郎氏の長男で、ニューヨーク近代美術館や鈴木大拙館などの設計を手掛けた建築家谷口吉生氏に委託することを決めた。今後、正式契約を結ぶ。
 金沢の建築文化の魅力を広く発信する拠点施設の整備に向け、これまでに同施設整備検討懇話会(水野一郎座長)で議論が重ねられ、山野之義市長に整備方針などを盛り込んだ検討懇報告書を提出。一方、報告書の中で設計者にも触れ、「金沢にゆかりがあることは勿論、海外においても実績があり、国内外の建築事情に明るい建築家に依頼することが望ましい」と示され、同施設設計者検討会での議論を基に、市側が吉生氏に設計を打診し、内諾が得られた。
 同施設については、▽名誉市民第1号の谷口吉郎氏の顕彰▽建築資料の保存・活用▽洗練された建築意匠―など5つのコンセプトに基づき、「建築文化の発信拠点として質の高い事業の実施に必要な機能や、洗練された建築空間の中で様々な人が交流できる機能を設けるべき」と報告書に盛り込まれた。また、整備地は藩政期以来のまちなみを形成する寺町台重伝建地区の入口に位置。眺望にも優れ、寺町台と犀川河畔との回遊性向上に資する施設として、斜面緑地の上下をつなぐ導線など、周辺環境に調和した整備が見込まれる。
 9月補正予算に設計費を計上。市は「設計後、整備期間に概ね2年間を見込む」としている。
hokuriku