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西日本建設新聞社
2015/11/02

【熊本】指示書に概算金額 県、土木設計業務で変更ガイドライン

 熊本県土木部は、土木設計業務等設計変更ガイドラインを策定し10月26日から施行した。 「設計変更が可能なケースと不可能なケース」「変更指示の際の概算金額」「増加費用の負担」を明文化しており、手続きやルールを明確に示すことで、成果品の品質確保や担い手の中長期的な育成・確保に繋げる。九州沖縄の8県3政令市の中では、11月からの運用を予定している長崎とともに最も早い取り組みという。
 改正品確法に位置付けられた発注者責務を果たすため県は、4月から土木工事と建築工事でそれぞれ設計変更ガイドラインと工事一時中止ガイドラインを運用している。受託業者から、適切な設計変更や設計図書の点検範囲外業務への対価支払いを求める意見もあり、初めて業務版をつくった。
 設計変更が可能なケースは▽契約約款第19条第1項に該当▽設計図書の点検の範囲を超える▽委託者が変更を必要と認める▽委託者が業務を一時中止する必要がある▽受託者の請求により履行期間を延長する―の5項目で、それぞれ手続きと具体例を示している。一方、変更不可能なケースとして、受託者が独自に判断して業務を実施し手戻りが生じた場合や、協議の回答がない時点で業務を実施した場合などを挙げている。
 設計図書の訂正や変更が行われた場合の必要な費用負担は委託者と受託者が協議して定める。契約変更に先立って変更指示を行う場合、指示書にその内容に伴う増減額の概算額を記載する。ただし、委託者と受託者の協議で変更する時は、協議時点で受託者が見積書を提出した場合に限り、委託者は見積書の妥当性を確認したうえで、指示書に概算額と積算の根拠を記載する。受託者から見積書の提出がない場合は、概算金額を記載しない。
 ガイドラインの対象となる土木設計業務等は平成26年度に約1200件あった。土木部は地域振興局等にガイドライン内容を通知するとともに、関係市町村に参考送付するよう依頼しており、県内発注者に対し改正品確法に基づく発注者責務の履行とガイドライン策定の契機としたい考えだ。

提供:西日本建設新聞社