「百万石の地で触れよう 未来につなぐ まちづくり」をメインテーマとした第58回建築士会全国大会石川大会(主催=日本建築士会連合会、共催=建築士会東海北陸ブロック会、主管=石川県建築士会)の大会式典が30日、金沢市の石川県立音楽堂で挙行され、全国から集まった3000人が、地域社会に果たす建築士の役割を改めて認識し、さらなる発展を誓った。
式典のオープニングは、厳かなパイプオルガンの調べで始まった。
田尻純江石川県建築士会副会長の開会宣言などの後、主管県から照田繁隆県建築士会会長が「昨年のふくしま大会から一年間、皆さんをお迎えするための準備を進めてきた。心から歓迎します。石川県での開催は50年ぶりとなり、今回はまちづくりをメインテーマとした。金沢は伝統的な街並みと新しい建築物が調和した街と評価されているが、伝統が新しいものを取り入れ、新しいものは伝統に学ぶという金沢ならではの個性が表現されている。皆さんにとって、本大会が実り多いものになることを祈念している」とあいさつ。
続いて、三井所清典日本建築士会連合会会長が「当連合会は、地域の歴史的、文化的に価値がある建築物を残していくため、ヘリテージマネージャーの養成に力を入れているほか、施工に携わる会員のために建築工事に特化した監理技術者講習を今年度からスタートさせた。これにより、会員のさらなる知識、技術の向上と建築物の質の向上につなげたい。建築士は、健全で安心な地域社会づくりを担う仕事であり、そうした建築士をこれからも育てていきたい」とあいさつした。
この後、士会の発展に功績のあった会員の表彰式が行われ、来賓を代表して杉藤崇国土交通省大臣官房審議官が石井啓一国土交通相の祝辞を代読、谷本正憲県知事、山野之義金沢市長があいさつし、李根昌大韓建築士協会名誉副会長が趙忠基会長の祝辞を代読した。
引き続き大会アピール(宣言文朗読)が行われ、▽地域活性化の先導役を果たし、地域創生を積極的に推進する▽専門的知見を生かし、災害に強いまち・建物づくりを推進する▽歴史的・文化的価値ある建築物を見出し、保存・活用し後世に継承するとともに、地域の建築文化と調和する建築物を創出する専門的識見の向上を目指す―ことを誓った。さらに、大会旗が照田会長から三井所会長に手渡され、三井所会長から来年度全国大会を開催する大分県建築士会の井上正文会長に引き継がれた。最後に、山下憲三石川県建築士会副会長が閉会を宣言した。