竹田市は、景観計画策定に向けて、28日までに、荻、竹田、直入、久住の4地区で説明会を開いた。計画は市内全域を対象とし、「情感ある竹田の歴史的町並み形成と豊かな水・緑の保全」を将来像に掲げた。重点地区の城下町地区では、「建物の高さを15bに制限する」―などを示した。
市は、 優良な景観を守り将来のまちづくりに活かすとして、26年度に景観計画策定作業にかかり、先に原案がまとまった。
説明会では、原案作りをした合同会社まちづくり事務所(大分市)の穐山和広代表が、景観計画の概要や良好な景観形成のための基準、制限事項、景観重要建造物や樹木など、守るべき景観の指定などを説明し、景観計画を活かしたまちづくりについて、市民と意見交換した。
景観形成方針は、市内全域を市街地、自然公園、田園・森林、道路景軸、水景軸などのゾーンに分ける。ゾーンごとの形成方針に沿って、景観形成上重要な山地、草地、農地、河川、歴史的遺産、町並みなどの眺望を妨げないよう条例に定める。市街地は、武家屋敷など昔ながらの町の風情を後世に残し、新旧の建物との調和を図り、自然公園は普通地域と特別地域に分け、自然保護と活用を両立させる―など。
特に、城下町地区は、「史跡等環境保存エリア」「眺望景観エリア」「町並み景観エリア」の3つに分け、町並みの特性を生かす。例えば、@広瀬神社から見て、既存の山々の緑の帯をさえぎらない建物の高さ(15bを限度とし、4階建て以上は不適格)とするA3階以上の部分は、前面道路からセットバックし、通りの圧迫感を軽減B昔の敷地割りを尊重し、分棟形式などの建て方にする―などで、周囲の高さと揃える。建物の素材・色彩、外構・緑化、門・塀・石垣などにも制限を設ける。
意見交換では、市民から「太陽光発電設備の設置は良いのか」「電柱があると歩きにくい」などの質問が相次いだ。市は「城下町地区のソーラー新設は認めない方向。電柱は27年度から3ヵ年計画で無電柱化する計画」などと答えた。
今後、12月議会で計画案を説明し、28年3月末までに公告、縦覧を経て、4月には景観計画や景観条例を策定する予定。ガイドブックも作る。
提供:
大分建設新聞社