福島建設工業新聞社
2015/10/29
【福島】県有建築物の非構造物部材の減災化計画策定
県は「県有建築物の非構造部材減災化計画」を策定し29日、公表した。計画期間は27〜42年度。県有建築物の耐震改修計画の対象としている@防災拠点、避難施設、緊急医療施設など「防災上重要建築物」A不特定多数が利用する「特定建築物」―について、段階的に減災化を行う。建築物の用途、部材の種類、設置状況を踏まえて、4ランクの優先度を設定。危険性の高い日構造物から減災化を行う。
東日本大震災では、耐震化の有無に関わらず、吊り天井など非構造部材落下事故が多数発生した。県では、この事態に対応するため、今回独自に計画を定めた。県によると、他県で天井や合同庁舎といった部材や施設を限定した形で計画を定めた例はあるが、全体的な計画を定めたのは全国初という。
減災化の対象となるのは県有建築物の耐震改修計画の対象建築物1359棟に付随する現行法令規準に適合しない、また落下等で被害が生じる恐れのある天井、エレベーター、建具、水槽。外壁については定期点検により随時、対策を実施するため除いている。
優先度方針は「建築物の用途(災害時拠点となる施設を優先)」「部材の種類(震災時に避難を阻害する可能性がある部材を優先)」「部材の設置状況(大地震時で落下し、危害を及ぼす可能性があるもの)」。注意表示ができるものや、地震・安全対策を行っているものは優先度を下げる。
この観点から27〜28年度で部材ごとの状況を確認し、ランク分けと工法検討を行う。耐震改修計画期間の終期となる32年度までを第1期としてランク1を減災化。その後順次、第2期(〜37年度)にランク2、第3期(〜42年度)にランク3としてすべての減災化を完了させる。計画目標より前に大規模改修工事を行う施設については、ランクが下位のものも合わせて前倒しで対応することとなる。ランク4は施設改修に合わせて行うため、特段時期を定めていない。減災化は耐震化と並行して行われるため、県有建築物保全推進連絡会議で進行管理を行う。