県 次期産業構想ビジョン策定会議 長崎港ウォーターフロントにバックオフィス機能集積も 県は、22日に開かれた第2回次期「長崎県産業振興ビジョン(仮称)」策定会議(事務局・県産業政策課)で、2016年度から5年間の次期産業振興ビジョンの素案を示した。県として中長期的に進める施策パッケージである『重点推進プロジェクト』の一つに、海洋エネルギー産業拠点形成プロジェクトやバックオフィスセンター構想を盛り込んでいる。県では、12月にも会議を開いて意見を取りまとめ、本年度中にビジョンを策定する考えだ。
同計画は、県総合計画の部門別計画の位置付けで、県内企業の99・9%を占める中小企業・小規模企業の振興計画。現行ビジョンを総括し、県内産業を取り巻く環境や課題を提示した上で、本県産業の将来像と本県産業の進むべき方向性・具体施策を示している。
重点推進プロジェクトは、進むべき方向性と具体施策の項目の中で記載。海洋エネルギー産業の拠点形成のほか、▽センサー関連産業集積プロジェクト▽サービス産業の振興プロジェクト▽長崎の強みを生かした食品高付加価値化プロジェクト(仮称)▽「人財県長崎」人材育成モデル構築プロジェクト▽長崎金融バックオフィスセンター構想2020の推進―を盛り込んでいる。
このうち海洋エネルギー産業の拠点形成は、製造・設置・メンテナンスなどの各拠点機能を創出しつつ、産学官が連携・協議し柔軟性を持って着実に推進する方針。20年度までの5年間で実証フィールドの構築や研究開発拠点の形成、地元企業の実証プロジェクトへの参画・技術の蓄積に取り組む方針だ。
島鉄廃線敷活用し 自動走行実証フィールド バックオフィスセンター構想は、優秀な人材が豊富で地震や津波が少ない長崎の強みを生かす。顧客対応部門を支援する情報システムやコールセンターといった機能を長崎港ウォーターフロントに誘致・集積させ、2000人を超える良質な雇用創出を目指す。長崎県立大学が来春開設予定の「情報セキュリティ学科」と連携した高度専門人材を育成するとともに、県有地の活用や民間開発の誘致により良質なオフィスを確保していく。
このほか、センサー関連産業集積では、南島原市と連携し島原鉄道廃線敷・一般公道・廃校校舎を活用した自動走行実証フィールドを整備する計画を立てている。