県農林水産部農政課は、農山漁村地域整備計画(U期計画)をまとめた。T期計画が昨年度で完了したことから、農山漁村地域整備交付金を国に申請するのに伴う、2015年度からの新たな計画となる。計画期間は15〜19年度の5か年。事業は農業農村整備事業7事業、森林基盤整備事業4事業、水産基盤整備事業1事業の合計12事業。全体の地区数は80地区で、全体総事業費は354億5840万円に及ぶ。
計画は、@千葉県農業を支える担い手への農地集積と基盤整備計画A千葉県農業の命脈である基幹用排水施設の整備計画B千葉県の農山漁村における自然災害対策の推進計画C千葉県における森林機能を高度に発揮させるための計画的な森林整備の推進計画D千葉県の水産資源の維持・増大と漁業の生産性向上計画E千葉県における災害に強い漁港海岸整備計画F千葉県における農業集落排水施設の機能強化推進計画――の7つからなる。
農地集積と基盤整備計画では、農地整備事業(経営体育成型、耕作放棄地型)、中山間地域総合整備事業、農地環境整備事業の3事業を実施。地区数は17地区で、事業費は162億7082万円を見込む。
基幹用排水施設の整備計画では、水利施設整備事業(基幹水利施設整備型、基幹水利施設保全型、地域農業水利施設保全型)、農業競争力強化基盤整備事業(基幹水利施設整備型)の計18地区で、総事業費は113億3210万円を予定。このうち新規で水利施設整備事業の基幹水利施設保全型で戸面原ダム地区(富津市)、同事業の地域農業水利施設保全型で大利根総パ地区(旭市)と赤荻地区(成田市)に着手する。
自然災害対策の推進計画では、農地防災事業(ため池整備事業、湛水防除事業、農村地域環境保全整備事業、農業用河川工作物応急対策事業)、治山事業などの計21地区を総事業費57億2115万円で計画する。
森林整備の推進計画では、7地区で森林整備事業(共生環境整備事業、育成林整備事業、林道改良事業)を総事業費3億2461万円で実施する。
漁業の生産性向上計画では、勝山と保田の2地区(いずれも鋸南町)で防波堤を整備。事業費は4億6500万円を見込む。
漁港海岸整備計画では、栗山川地区(横芝光町)と片貝地区(九十九里町)の2地区で防潮堤を整備。事業費は10億3400万円を予定。
農業集落排水施設の機能強化推進計画では、13地区を対象に機能診断調査・最適整備構想策定などを実施。事業費は3億1070万円を見込む。
一方、同計画では計画ごとに定量的指標を設定している。各指標は次の通り。
▽農地集積と基盤整備=担い手への農地の利用集積面積423ha
▽基幹用排水施設=延べ1万528haの安定的な用水供給機能及び排水条件の確保
▽自然災害対策=@ため池整備により下流受益地151・8haを保全A排水機場等の整備で799・3haの湛水被害防止B石綿管の代替施設への更新により542haの安全性と安定的な用水確保C農業用河川工作物の補強整備により296・6haの災害未然防止D治山施設等の整備で17haの山地被災等の被害防止
▽森林整備=林道開設に伴う間伐材利用量の20%増等
▽漁業の生産性向上=安全係船岸90m確保
▽漁港海岸整備計画=防潮堤の整備により防護面積208ha確保
▽農業集落排水施設の機能強化推進計画=汚水処理人口3万人に対する最適整備構想を策定し、農業集落の水質悪化を防止