日刊建設工業新聞
2015/10/28
【鳥取】県管工事業協会と県が意見交換会/雇用問題、工期設定などテーマ
県管工事業協会(長谷川泉会長)と県の意見交換会が26日に県庁であり、専門工事業団体の育成・雇用の確保・技術の継承、建築工事における設備工程を考慮した工期設定など協会が要望した15項目について意見を交わした。
意見交換会には、協会から長谷川会長、荒川恵副会長、中村博之副会長、橋本秀秋副会長のほか理事、県から県土整備部の藤島聖三県土総務課長補佐、井上嘉之技術企画課長補佐、総務部営繕課の宮脇儀裕課長、太田垣順参事らが出席した。建設業界ではいま、担い手の育成が大きな課題となっており、この対策に官民挙げて取り組んでいるが、長谷川会長はあいさつで「我々の業界も若年層の入職が少ない」と雇用の確保に危機感を示し、県のより一層の指導を求めた。
これに対して県は「13年度から公共事業の単価を引き上げており、適切な賃金水準の確保、就労環境の改善に取り組んでいる」と応え、若者の入職については「今年も学校関係者やPTAと座談会を開いているが、その中で建設業がどんな仕事をしているのか分からないという意見があった。まずは、各企業の職場での魅力を若者に発信することが重要であり、行政も学校側と連携して魅力発信に取り組んでいきたい」と応えた。また、営繕課でも今年度からインターシップへの助成制度を設けたが、「建築や電気は応募があるのに管は応募がない」ことについて、業界サイドは「機械設備を指導する先生がいない、専門の科がない。このため、管工事の魅力を伝える場が少ない」といった問題点を挙げた。
実勢価格とかけ離れ、実質的に受注者の負担となっている交通整理員の経費計上と積算根拠の明確化を求めたのに対して県は「国の基準を適用している。この問題は他の建設団体との意見交換でも何度も出ている議題だが、一方で警備業協会からは必要な経費を払っていただけないという話も出ている。県でもこうした声を踏まえ、実態を調査し、国に積算基準の改善を求めており、建設業協会も国に要望している。管工事業界からも国に対して要望の声を出していただきたい」と述べた。
また、建築工程の遅れなどが理由で試運転などの仕上げが工期内に間に合わなくなるとし、設備の工程を考慮した全体工期の設定や建築業者などへの指導を求めたのに対して県は「全体の工程については定期的に現場で総合調整を行っており、不具合などがあれば、建築や建築監理にも言うべきことは言っていただきたい」とした。このほか、従前のように3カ月程度の期間を求めた道路使用許可については、警察の回答は「一部で例外規定はあるが、1カ月が原則で、1カ月を超える使用を求める場合は所管の担当者に申請の内容を相談してくださいとのこと」と説明した。