三重県県土整備部は、道路などの公共土木施設の健全性や修繕方針を広く周知するために、「維持管理の“見える化”」を図る計画で、第一弾として道路施設のうち点検済みの個別施設のデータを公表する。
公共土木施設の老朽化に伴う事故が全国的に発生していることから、県民の安全性に対する不安を払拭(ふっしょく)し、安心感を持ってもらうことと、維持管理の必要性を理解してもらうことを目的に行う。
公共土木施設は、道路(橋梁、トンネルなど)、河川(大型水門・樋門、排水機場、ダム)、港湾(臨港道路橋梁、港湾施設、海岸保全施設)、砂防(砂防施設、急傾斜地崩壊防止施設、地滑り防止施設)が対象。
具体的には、道路法の改正に伴い定期点検が義務付けられ、データ整備が進んでいる道路施設から公表していく。2014年度に点検した対象施設は、▽橋梁〈道路橋梁〉―721橋(全管理数4216橋)▽トンネル―96本(全管理数126本)▽横断歩道橋―101橋(全管理数101橋)▽シェッド―14基(全管理数20基)で、各施設の概要、建設年度、4段階の点検記録を公表する。
点検記録は、区分T(走行性・安全性に問題はない施設)、区分U(安全性などに問題はないが、一部に軽微な変状を有する施設)、区分V(安全性などに問題はないが、おおむね5年以内に一部の修繕が必要な変状を有する施設)、区分W(走行性・安全性に問題がある施設)―の4区分となっており、14年度点検では、区分Wの対象はなかった。例えば、橋梁では、区分Tが59%、区分Uが33%、区分Vが8%だった。
県では、区分Vについて、おおむね5年以内に修繕を行い、区分Uについては、予防保全の観点から将来的には計画的に施設の修繕を行うものとした。
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建通新聞社