徳島県は20日、2016年度予算の編成方針を示し、各部局に通知した。「新未来『創造』とくしま行動計画」や「Vs東京『とくしま回帰』総合戦略」の実現に向けた施策を大胆に展開し、夢と希望あふれる新未来を創造するため、時代を先取りする大胆な施策展開など4項目を柱に予算を編成。新たに「新未来創造事業枠」(5億円)を創設し、地方創生の旗手にふさわしい先駆的な事業を手掛けるほか、新型交付金を最大限活用しこれを加速化させる。11月6日に予算要求を締め切り、12月中旬からの財政課長査定を経て、来年1月中旬ごろに知事査定に入る。
16年度予算は、今後の社会経済情勢の変化や国の予算編成、地方財政対策の動向を的確に見極めながら通年の総合予算として編成。実質公債費比率が18・9%(15年比率)と、7連連続で起債許可団体という厳しい状況の中、一層の財政健全化が求められているものの、山積する地域課題への対応や地方創生の推進に必要な施策を展開することにしている。
編成に当たり@時代を先取りする大胆な施策展開(新規)A県の役割と予算の在り方の再検討(継続)B積極的な歳入確保対策の推進(継続)Cあらゆる歳出の大胆な質の転換(歳出の中から歳入を生み出す取り組みの徹底、継続)−の4項目を推進する。@では、部局間連携による効果的・戦略的な事業構築のほか、県民目線・現場主義の徹底と「産学官金労言」など多様な主体と連携、他に先んじた先駆性のある事業構築による「新未来創造事業枠」を創設し編成に当たる。
新未来創造事業枠は、地方創生につながる先駆的な新規事業(部局別施策と統括本部施策)を対象に5億円の財源枠を設定する。財源は政策的経費を15年度6月現計予算の90%以内に、維持補修費を同予算並みに、施設管理費を同年度予算以内に、一般管理費を同予算95%以内に設定(公共事業分を除く)する中で捻出することにしている。
庁議で飯泉嘉門知事は、地方創生の旗手として県土強靭(きょうじん)化や施設の長寿命化対策の重要性に触れ、特に維持補修費の前年度予算並みの確保を強調した。順調なら予算案の発表は2月初旬になる見通し。
提供:建通新聞社