長崎市 17年の完成目指す 最先端技術を採用 片側の2支点で全体加重担保 出島表門橋架設工事について長崎市は、11月議会において債務負担に係る議案を上程し、承認が得られ次第、公告する考えであることが分かった。工事は上部・下部の2本となる予定。当初スケジュールに比べ、発注に遅れが生じていることについての取材に同市が応えた。
旧表門橋架台遺構調査を踏まえ、新表門橋架橋整備ではこの遺構を守るために杭打ち場所を変更。設計に変更が生じたことから工事スケジュールもずれ込んだ。当初、今年度から来年度の2カ年工事としていたが、2017年度秋―冬までの3カ年契約とするために債務負担に係る議案を11月議会(11月27日〜12月16日の開会予定)に上程する。上程前であることから詳細な事業費は明らかでないものの、当初予算に上げられた2億7000万円(実施設計費含む)から大きな変更はないと見られる。
設計は九州オリエント測量設計梶i長崎市)が担当。新表門橋は桁と高欄を一枚の鋼板から切り出し、フィン(補剛材)を溶接。1スパン片持ちで橋脚を作らず、中島川側の2支点で全体加重を担保するという最先端技術を採用する。同社はプレゼン時、長崎が造船技術のまちであることを最大限に活用し、橋材のほとんどを工場で製作できることもPRしていた。工事発注に関し、取材に応えた馬見塚純治経済局観光部次長(兼出島復元整備室長)は、「県内・市内でできるものは、もちろん地元企業にお願いしたいと考えている」と話した。
中島川公園関連工事は3本 関連して、表門橋が架かる中島川公園整備は全部で3本の工事となる見込み。11月にも既存物の撤去工事を公告(工事は年度内完了)、表門橋と同じく11月議会に諮った上で、1月ごろに公園全体の整備工事を公告する。舗装・勾欄等の仕上げ工事を別途発注し、全体の完成は17年12月を目指す。