県病院局は「県がんセンター新棟建築工事基本設計」が完了したのに伴い、基本設計の概要を公表した。それによると、新棟は現在の敷地西側にL型に配置し、研究・会議棟、既存緩和ケア病棟と渡り廊下で結び、双方が連絡しやすい計画とした。また、新棟の顔となるエントランスはメインアプローチとなる大網街道側に配置。建物構造は免振構造を採用することで耐震安全性を確保し、震災時での医療機能を維持。架構形式は、鉄筋コンクリート耐震壁を設けた耐震壁付ラーメン架構とした。基本設計は日建設計が担当。
各階の構成は、地下1階にサービス、1〜3階に診療、4階に管理、5〜9階に病棟を配置し、機能的で明快な部門構成とした。病室は4床室及び個室を基本とし、このほか2床室、3床室、特別室、感染病室を配置する。
1階エントランスから2階外来への誘導はエスカレーター及びエレベーターとし、2階は外来コリドリーを動線軸とし、わかりやすい部門配置とした。外来と病棟見舞客の動線はエントランス入口で分離し、動線交錯を最小限とし、用途ごとに搬送エレベーターや小荷物用エレベーターを配置、スムーズな搬送を実現する。
一方、研究・会議棟は、1階が動物飼育部と事務部門、2〜3階は中央機器室を中心に実験室や培養室などを配置。3階は新棟と渡り廊下で接続して会議室や実習生控室を配置する。緩和ケア病棟の各室の用途は現状維持とする。
建物規模はRC造(免振構造)地下1階地上9階・塔屋1階建て延べ約5万4000u。このうち新棟は約4万8210u。改修を行う東病棟が4170u、緩和ケア病棟が1620u。建物の最高高さは約49・4m。研究・会議棟は既存の東病棟を改修し整備する。病床は既存の緩和ケア病棟を含み450床の計画。
病院の基本コンセプトは、@高齢化に伴う患者増・がん医療の集約化への対応A高度かつ良質な医療の提供B地域連携の充実Cおもてなし(ホスピタリティー)病院の実現D安定的な運営基盤の確立――の5つを柱とする。
施設の概要は次の通り。
■建築概要
▽建築場所=千葉市中央区仁戸名町666―2他▽地域地区=第2種中高層住居専用地域、一部第2種住居地域、許容容積率200%、許容建ぺい率60%、千葉県がんセンター地区地区計画区域▽用途=病院▽病床数=450床(予定)▽敷地面積約4万8000u▽建築面積=約1万1520u、(内訳)新棟8750u、研究・会議棟(既存東病棟)1440u、既存緩和ケア病棟1380u、延べ床面積約5万4000u(120u/床)、(内訳)新棟4万8210u、研究・会議棟(既存東病棟)4170u、既存緩和ケア病棟1620u▽階数=地上9階・地下1階・塔屋1階▽最高の高さ=約49・4m▽構造=RC造(免震構造)
■設備概要
【電気設備】
▽受電方式=高圧6・6kV、2回線受電方式▽予備電源=非常用ガスタービン式高圧発電機▽無停電電源=医療用無停電電源設備▽弱電設備=電話交換機、ナースコール、インターホン、非常・業務兼用放送設備、テレビ共聴設備、電気時計設備、映像音響設備▽防犯設備=入退管理設備、監視カメラ設備▽防災設備=非常照明設備、誘導灯設備、避雷設備、非常放送設備(業務兼用)、自動火災報知設備
【空調設備】
▽熱源設備=空冷モジュールチラー、吸収式冷温水発生機、水蓄熱槽▽空調設備=外気処理空調機+パッケージエアコン▽換気設備=第1種、第2種、第3種方式▽排煙設備=自然排煙、機械排煙併用▽自動制御設備=中央監視方式
【衛生設備】
▽給水設備=上水と雑用水の2系統給水(井水利用)加圧給水方式▽給湯設備=中央給湯方式▽排水設備=(屋内)汚水・雑排水合流方式、(屋外)汚水・雨水分流方式▽都市ガス設備=中圧ガス引込▽消火設備=スプリンクラー、ガス消火、連結送水管、消防用水、消火器等▽医療ガス設備=酸素、吸引、圧縮空気、窒素、笑気、余剰ガス排気▽排水処理設備=中和処理設備、感染排水処理設備、RI排水処理設備