県営ため池等整備事業の椎木地区(いすみ市岬町)がこのほど計画決定し、本年度から事業に着手する。事業期間は2015〜18年度の4か年。総事業費1億9150万円(うち純工事費1億6930万円)を投入し、堤体築堤工、堤体護岸工、洪水吐工、取水工などを実施する。本年度は全体実施設計を予定。来年度から洪水吐及び取水工に着工する。受益面積は約45・8ha。
ため池(椎木堰)の所在地は、いすみ市の岬町椎木地先。同地区は、ほ場整備が実施され生産基盤は整っているが、ため池は築造後145年余が経過。水位を下げて用水管理を行うなど農業水利施設の老朽化の進行や機能低下が発生している。このため、同事業により改修を行い、安全性の回復強化と安定した管理ができるようにする。
改修内容は@堤体工の断面回復と補強A堤体護岸工の全面新設B洪水吐の全面改修C取水施設の全面改修。事業量と事業費は堤体築堤工がV9917立方m(工事費6690万円)、堤体護岸工がA4199u(同5120万円)、洪水吐工がL34・9m(同4000万円)、取水工がL20・0m(同1120万円)。
年度別事業費と事業内容は、15年度が事業費1350万円で測量試験と用地買収、16年度が事業費5380万円(うち工事費5120万円)で、洪水吐工34・9mと取水工20・0m、17年度が事業費7040万円(同6690万円)で、堤体築堤工9917立方m、18年度が事業費5380万円(同5120万円)で、堤体護岸工4199u。
ため池の諸元は、型式が均一型で総貯水量63万3400立方m(有効貯水量同)、堤長386・8m、堤高4・92m。流域面積2196km2。洪水吐は三面越流式で洪水量が62・20立方m/s。取水施設はスライドゲート式で取水量は0・06立方m/s。放流施設は緊急放流式で、放流量が2・119立方m/s。
改修内容は、堤体は上流でブロックマット工により法面を保護。取水施設はゲート式として緊急放流孔を併用し、φ800o1孔を設置。取水・送水用にゲート式φ200o1孔、土砂吐として前面にスライドゲートφ800o1門を設置する。
工種別の詳細は次の通り。
▽堤体土工=掘削9619立方m、積込9619立方m、サヤ盛土投入9917立方m、敷均・締固9917立方m、改良工9619立方m、切・盛土面整形3984u、産業廃棄物処理93立方m、排水ポンプ運転管理一式、ポンプ設置撤去一式、釜場設置撤去3か所、仮締切堤盛土工300立方m、ヒューム管設置3本、ヒューム管撤去3本、敷鉄板敷設撤去300u、土のう設置撤去20立方m▽堤体護岸工=ブロックマット4199u、吸出し防水シート4199u、芝工579u、ネットフェンス386m(H1・2m)、ドレーン工一式、敷鉄板布設撤去300u、その他▽洪水吐=掘削バックホウ632立方m・岩掘削421立方m、サヤ盛土投入368立方m、敷均・締固368立方m、切・盛土面整形一式、無筋コンクリート10立方m、鉄筋コンクリート251立方m、型枠560u、鉄筋17・6t、スライドゲート一式、閉塞工一式、排水ポンプ運転管理一式、ポンプ設置撤去一式、釜場設置撤去1か所、仮締切堤盛土工50立方m、ヒューム管設置1本、ヒューム管撤去1本、敷鉄板敷設撤去300u▽取水施設工=掘削250立方m、積込250立方m、サヤ盛土投入200立方m、敷均・締固各200立方m、無筋コンクリート100立方m、型枠150u、鉄筋6・5t、管・鋼材一式、仮締切堤盛土工60立方m、ヒューム管設置2本、ヒューム管撤去2本、敷鉄板敷設撤去300u