愛知県東三河農林水産事務所は、農業農村整備事業(たん水防除事業)として、田原市の「渥美第2排水機場」など3排水機場を移転統合、新たな排水機場として整備する計画だ。2021年度までの継続事業として総事業費17億1000万円を見込む。既設施設の撤去を含む全体実施設計を、葵エンジニアリング(名古屋市中村区)に委託。設計工期は16年3月22日まで。
同計画は、各排水機場の老朽化対策として進めるもので、対象は「渥美第2排水機場」(1968年建設)、「天白排水機場」(88年建設)、「小新田排水機場」(79年建設)の3排水機場。これらの排水機場を田原市中山町内の中山小学校付近に「新天白排水機場」として機能を集約し、移転新築する。
既設の排水機場には、各1台排水ポンプが稼働しており、新天白排水機場では排水ポンプ3台を統合する。設置するポンプは口径1350_×2台、口径800_×1台で、基準雨量は3日間の雨量として318_bに対応する。
事業スケジュールは、16年度に排水ポンプを設置するための下部工として機場工、17年度に排水機場の建屋工、18〜19年度で排水ポンプを設置した後、20年度に樋門を整備、21年度の稼働を目指す。既存の施設は21年度に撤去する予定。
新天白地区は、天白川(西側)と三河湾(北側)に面した低平地で、降雨時の排水は機械排水に依存している。近年の流域内開発により、流出量の増加や経年変化による既設排水機の能力低下などから、降雨時のたん水被害が増加しているのが現状。また、同地区に排水機場を1機場に統合することで経済的にもメリットがある。
新天白排水機場が稼働することで、たん水被害を軽減または解消し、農地を保全することで、農業経営の安定化を図るのが目的。
提供:建通新聞社" target="_blank">