日本工業経済新聞社(群馬)
2015/10/19
【群馬】草津町があおぞら保育園を改修工事
草津町は早ければ今月中に、あおぞら保育園の改修工事を発注する。町は2017年度の認定を目指し、現在の施設に認定こども園の機能を持たせることを目的に工事を行い、本年度中の完成を目指している。保育園全体を改修するが、施設内部の改修がほとんどで、特に2階部分の比重が大きくなる。工事は冬季にかかり、工期も短いため外構と2階部分を並行して進め、その後1階に着手する計画だ。また、園を運営しながらの工事となるため、園児たちへの安全配慮が求められる。
工事費は、9月の補正予算に計上した、あおぞら保育園改修工事費1億1000万円から充てる。
詳細設計は今月、石井設計(前橋市)が完成させた。町は改修工事を本年度中に終わらせたい考えだが、園を運営しながら工事を実施するため、園児たちの安全を第一に考えて進めるという。
保育園は国道292号沿いに位置し、国道を挟んで斜め向かい側には草津国際スキー場がある。04年に建てられた共同浴場を改修して町が運営しており、施設規模はRC造2階建て、延べ床面積1730・73uとなっている。耐震診断は実施済みで、耐震性に問題はない。
これまでに1階を保育園、2階をスキー客向けの託児所として利用してきたが、17年度の認定を目指し、認定こども園として利用できるよう、保育園全体の改修工事を実施する。園児の数は現在約100人だが、改修後は最大160人まで受け入れる予定だ。
工事の手順は、フェンスなどの外構を行いながら2階の改修を実施。2階が完成した後に、1階の改修工事へと移る。保育園の建物を囲むようにフェンスが設置されているが、一部にフェンスがないため、今回の工事で新たにフェンスを設置する。
2階の改修工事が主となるが、共同浴場だったことから、南側の屋根の一部がトップライト(天窓)になっており、また、南側の壁面も全面ガラス張りになっている。トップライトは通常タイプの屋根に変更し、壁面は外壁工事を行い窓を4カ所設置する。北側の側面もガラス張りになっているが、改修は行わず、屋内にH1m程度の木柵をガラス面に沿って約20m設置し、園児の事故防止を図る。
間取りの変更も行い、4歳児、5歳児、フリースペースの3教室と遊戯などが披露できるホールを設ける。トイレも子ども用に更新するが、男児用女児用と分けず、1カ所に個室6基と小便器6基が整備される計画。間取りの変更により耐力壁が整備されるが、それに伴い1階では一部の柱を補強する。
1階では、園児の増加に合わせて玄関のレイアウトを変更する。教室数が5室から4室へ変更され、ほふく室と保育室が統合されて1歳児用の教室となる。この教室の床材はクッション性が高く、掃除のしやすい材料の使用が検討されている。1階部分のトイレやホールには手を加えない。
これらのほか、階段部分にある既存の手すりの下に、子ども用の手すりを設置するなどの改修も行う。
改修後の施設内部は、1階が1歳〜3歳児、2階が4歳と5歳児となり、保育園と幼稚園、地域支援用の教室も兼ね備えた認定こども園に対応できる施設へと生まれ変わる。