トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(中部)
2015/10/23

【三重】新エネビジョン中間案に意見募集 三重県

 三重県は、国のエネルギー政策などを踏まえた新エネルギーの新たな導入目標などを示す「三重県新エネルギービジョン〈改訂版〉」中間案を作成した。現行の計画(2012年3月策定)から3年が経過し、再生可能エネルギー固定価格買取制度など策定後の環境変化に合わせて、同ビジョン推進会議で検討していたもので、16年度から30年度までの15年間にわたる長期の計画として位置付ける。11月12日まで案に対しての意見を募集している。
 同案は、国、県のエネルギーをめぐる現状と課題、基本理念、基本方針、長期目標、中期目標(16〜19年度)などで構成しており、中・長期計画の具体的な目標値は最終案で示すものとしている。
 国全体の現状としては、新しいエネルギー基本計画(14年度策定)、再生可能エネルギー固定価格買取制度(12年度導入)、長期エネルギー需給見通し(15年度決定)など、エネルギー政策の見直しが進んでいることから、三重県のエネルギー政策についても、新たな新エネルギーの導入目標を見直すことになった。
 県のエネルギーをめぐる状況を見ると、▽エネルギー消費は産業部門が全体の59%(全国平均42%)▽エネルギーの需給状況は、発電量が消費電力の2倍以上▽エネルギー供給状況(14年度末時点)は、火力発電が736万7000`h、再生可能エネルギーが97万1000`h。再生可能エネルギーのうち、太陽光発電が64万6000`hを占めている―など。
 基本理念は、「エネルギー・イノベーションと協創によるみえの地域エネルギー力の向上」とし、県民、地域団体、事業者、大学、行政などの多様な主体が、エネルギーに関わる産業、技術を生かした地域づくり、省エネの推進などを進める力(みえの地域エネルギー力)を高めていくものとした。
 長期目標に掲げる新エネルギーは、国の定義を踏まえて、@太陽光発電A太陽熱利用B風力発電Cバイオマス発電Dバイオマス熱利用E中小水力発電を「新エネルギー」とし、FコージェネレーションG燃料電池H次世代自動車Iヒートポンプを「革新的高度利用技術」とし、それぞれ導入目標量を設定する。
 中期目標では、19年度までの導入目標を設定し、導入促進に向けての施策を盛り込む。
 主な取り組み内容は次の通り。
〈新エネルギーの導入促進〉
 太陽光発電では、事業者の支援、自家消費型の導入促進。風力発電では、事業者と市町の連携支援―など。公共施設への新エネルギー率先導入
〈家庭・事業所における省エネの推進〉
 事業所へのコージェネレーションの導入促進など
〈創エネ・蓄エネ・省エネ技術を活用したまちづくりの推進〉
 防災まちづくりの推進(太陽光発電と蓄電池などによる分散型電源の設置)など
〈環境・エネルギー関連産業の育成と集積〉
 ネットワークづくり・人材の育成(みえスマートライフ推進協議会のネットワーク活用)など
〈次世代の地域エネルギーなどの活用推進〉
 水素エネルギーの利活用の推進、バイオリファイナリーの推進、メタンハイドレートによる地域の活性化、海洋エネルギー資源の活用に関する調査研究

提供:建通新聞社