静岡市は、大谷・小鹿地区のまちづくり計画推進事業で、5整備地区の中で先行整備地区の提案を住民側に明示した。それによると、工業・物流エリアの恩田原地区、片山地区と交流エリアの宮川地区を先行整備地区とした。現在、昭和(東京都千代田区)で基本設計を進めている。それぞれの地区での組合施行となり、最短のシナリオでは2018年度中の事業着手を目指す。
18年度工事着手(先行エリア)の場合、17年度末にも仮同意を経て準備組合設立、18年度に事業計画、想定換地を進め、年度末にも本同意を経て市街化区域編入・事業認可、組合設立となる。1事業におおむね5年の事業期間を見込んでいる。ただし、市では強引な誘導は避け、地権者合意や進出企業の開発計画の確実性が高まったエリアから実施するとしている。
もともとは、恩田原、片山、富士見台、宮川、水上、西大谷の6地区だが、水上地区は農地集約を図るエリアとして他の地区に含めて整備する。従って、整備地区面積は、恩田原地区(約20f・主に工業・物流エリア)、片山地区(約18f・主に工業・物流エリア)と富士見台2・3丁目地区(約19f・工業・物流エリアと一部居住エリア)、宮川地区(約34f・主に交流施設エリア)、西大谷地区(約20f・主に居住エリア)となっている。
また、用途ごとに概算面積を見ると、交流施設エリア約20f、居住エリア約18f、工業・物流エリア約28f、農業エリア約14fの計125fとなり、この他新インターチェンジや道路、河川などの公共用地が加わる。
交流施設エリアは、農産物の直売所やレストランなどを整備、静岡の情報発信と市内外の人を結び付ける役割を期待する。居住エリアは、既存集落を中心に環境に配慮した高品質な住宅地を形成。工業・物流エリアは地域基盤産業である製造業立地エリアと物流業立地エリアを整備、食品・ヘルスケアなどの成長戦略産業も誘致し雇用を生み出す。農業エリアでは、営農を守る既存営農集約エリアに加え、観光型農業エリアとして体験農業などを可能にする。
東名高速道路の新インターチェンジは、すでにNEXCO中日本で着工。また、市が行った地権者へのアンケート調査では、土地区画整理事業への賛成・反対を問い、過半数の賛同を得たが、特に先行エリアでは、高い数字を示している。加えて、企業側も高い進出意欲や興味を示しており、市では約31fを上回る立地ニーズがあるとしているなど、早期の事業実現が望めそうだ。
提供:建通新聞社
(2015/10/19)
建通新聞社 静岡支社