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建通新聞社(中部)
2015/10/22

【三重】沿道建築物耐震化、部分改定へ 三重県

 三重県は、県内の住宅・建築物の耐震化の目標や具体的な取り組みを示した「三重県耐震改修促進計画」(以下、促進計画)の改定作業に当たり、全体計画のうち、第1次緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化を促進するため、年内にも先行して部分改定を行い、耐震診断補助制度を創設する考えだ。全体の改定は、2016年度から20年度までの5年間を期間とする計画で、15年度内を目標に作業を進めており、9日に有識者らによる懇話会(座長・岩崎恭典四日市大学副学長)で耐震化に向けた方策などを審議した。
 13年度に「建築物の耐震改修の促進に関する法律」〈耐促法〉が改正され、新たな規制措置が規定され、耐震診断義務化対象路線の指定や耐震診断結果の報告期限を定めることができることになったことを受け、県でも規制措置に沿って沿道建築物の耐震診断補助制度を創設する。
 部分改定の対象となる道路の第1次緊急輸送道路は、高規格幹線道路など県庁所在地、重要港湾・空港などを連絡する道路で、県内で60路線(延長749`)が指定されている。促進計画の改定により、第1次緊急輸送道路を耐震診断義務化対象路線に指定し、一定の条件の建築物の耐震診断を義務化する。建築の条件は、1981年5月31日以前に建築され、高さや道路幅員の基準に該当する建築物で、14年度の調査によると、県が所管行政庁となる区域で115棟、5市(桑名市、四日市市、鈴鹿市、津市、松阪市)が所管行政庁となる区域で109棟の計224棟が対象となった。促進計画では、改定計画の期限となる20年度末までに耐震診断の結果の報告を求める考えだ。今後、部分改定の素案を公表し、年内に対象路線の指定と補助制度の創設を図る。実際の制度適用は16年度になるものと見込まれる。
 2次、3次緊急輸送道路については、市町の耐震改修促進計画で、市町の地域防災計画などに位置付けられた緊急輸送道路や避難所などを考慮し、必要に応じて耐震診断義務化対象路線などを指定するよう協議を進める考えだ。県が所管行政庁となる区域では、2次緊急輸送道路で228棟、3次緊急輸送道路で280棟を特定した。
 9日に行われた第2回懇和会では、耐震化の目標設定などについて審議が行われ、13年度末の県の耐震化率が81・3%と同年度目標に満たない状況などに触れ、「国が掲げる20年度の耐震化率95%を県の努力目標とすべき」、「1980年以前建築の住宅戸数に占める耐震性のない住宅戸数の割合を県独自の新たな指標とする考え方」などについて意見を交わした。全部改定の素案については、12月下旬に公表し、15年度内に策定する計画。

提供:建通新聞社