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日刊建設タイムズ社
2015/10/15

【千葉】基準下回る利用率71%/県バイオマス活用計画/中間の達成状況を公表

 県環境生活部循環型社会推進課は「千葉県バイオマス活用推進計画」に基づく中間とりまとめを行い、達成状況を公表した。それによると、2014年度のバイオマス利用率は71%にとどまり、計画基準値(10年度)の75%を下回った。原発事故の影響で下水汚泥の再利用率が著しく減少したことが原因で、下水汚泥を除く利用率は10年度と同程度となっている。
  計画後半では、下水汚泥のセメント原材料としての再利用の再開に向けた支援を継続するとともに、木質バイオマス利用拡大に向けて、燃料としての利用方法を検証。家畜廃棄物の堆肥としての有効利用や「バイオマス産業都市」に係る農林水産省補助金を活用した市町村補助などの取り組みを進める。
  県は11年7月に「千葉県バイオマス活用推進計画」を策定。同計画に基づき、バイオマスの利活用推進に取り組んでいる。同計画では、バイオマスの利用率を10年度の75%から目標年度の20年度に80%以上の利用を目指すこととした。同計画では5年ごとに目標の達成状況を把握することとなっていることから、14年度におけるバイオマス発生・利用状況調査を実施し、中間とりまとめを行った。
  その結果、14年度のバイオマスの利用率は71%にとどまり、計画基準値(10年度)の75%を下回った。内訳は、廃棄物系バイオマスが目標値79%に対し69%、未利用バイオマスが同88%に対し82%。中間年度での利用率が計画基準値を下回った理由としては、下水汚泥など廃棄物系の利用率低下が挙げられている。
  下水汚泥は、原発事故により放出された放射性物質が下水処理により汚泥に濃縮される事態となったことから、これまで行われてきたセメント原料としての再利用が10年度の75・6%から14年度は22・3%に著しく減少。原発による影響が顕著な下水汚泥を除くと、利用率は10年度の74・7%に比較し74・4%と同程度となっている。
  推進計画の後半に向けた取り組みでは、各種事業を確実に実施し、計画目標値の80%達成を目指す。
  後半に向けた主な取り組み内容は次の通り。
  ▽家畜排せつ物=@堆肥としての有効利用を引き続き図るA家畜排せつ物の燃料利用について関係者間の調整を行うコーディネーターを確保する。
  ▽食品廃棄物=@食品廃棄物の飼料利用について関係者間の調整を行うコーディネーターを確保するA「バイオマス産業都市」に係る農林水産省補助金(地域バイオマス産業化推進事業:プロジェクトに必要な施設への2分の1補助)を活用した市町村事業を推進する。
  ▽下水汚泥=@下水汚泥のセメント原材料としての再利用は、事業の再開に向け支援を継続するA下水汚泥の固形燃料化は、下水汚泥が放射性物質に汚染されたために事業着手を見合わせてきたが、放射性物質に汚染された廃棄物の処理状況をにらみながら、事業着手のための課題解決に努める。
  ▽木質系廃材・林地残材等刈草=@木質バイオマスの樹種や地形に応じた搬出方法の検討や、搬出した木質バイオマスの利用を拡大させるため、燃料としての利用方法を検証するA「バイオマス産業都市」に係る農林水産省補助金(地域バイオマス産業化推進事業:プロジェクトに必要な施設への2分の1補助)を活用した市町村事業を推進する。k_times_comをフォローしましょう
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