県農林水産部耕地課は、震災対策農業水利施設整備事業の本年度実施個所を明らかにした。本年度は県営事業で八丁堰(鴨川市)、団体営事業で橋梁8橋の耐震調査を実施するほか、ため池5か所、ダム2か所を対象にハザードマップを作成する。耐震調査は現地調査、ボーリング調査、現況測量などを実施し、その安全性を確認する。事業費は耐震調査6300万円、ハザードマップ作成2300万円の総額8600万円を見込む。
八丁堰は、所在地が鴨川市宮山地先。貯水量15・2万立方m。耐震検討業務を日本水工コンサルタント(千葉事務所・千葉市中央区裕光4―10―10―103)が担当。委託金額は予定価格616万円(消費税抜き)に対し530万円(同)。
橋梁の点検調査は、いずれも広域農道が対象。銚子市の東総台地地区の1〜5号の5橋と、袖ケ浦市の神納阿部線の永地4号橋、上田橋、富岡大橋の3橋。
銚子市の東総台地地区の農道は、耐震化対策検討業務を和合建設コンサルタント(千葉市中央区新宿2―3―6)に900万円(消費税抜き)で委託。袖ケ浦市の3橋は、袖ケ浦市が一括で橋梁耐震調査検討業務の指名競争入札を発注し、今月23日に開札となる。委託工期は2016年2月29日。予定価格は957万3120円(消費税込み)。
ハザードマップの作成は、ため池が東庄町の石出堰、東今泉堰、新宿堰、八丁堰、青馬堰と、君津市の三島ダム、富津市の戸面原ダム。
同事業は、東日本大震災で東北地方を中心にため池や排水機場などの農業水利施設が被災し、ため池の決壊などにより甚大な被害が発生したことから、地震による被災の影響が大きい農業水利施設の耐震性を点検・調査するとともに、地震により施設の損壊の恐れがあるなど耐震性が不足する農業水利施設の整備を実施し、災害を未然に防止することを目的として、国が11年度に制度化した。主な調査内容は、現地調査、ボーリング調査、現地測量、堤体等の安定計算など。耐震性を調査し、必要に応じて今後整備を行う。
実施箇所の概要は次の通り。(@完成年A施設概要)
【耐震調査】
▽八丁堰(鴨川市)=@1931年A堤長80m、堤高18m、貯水量15万1200立方m、受益面積126ha▽1号橋梁(銚子市)=@95年A橋長67m、橋幅7・5m▽2号橋梁(銚子市)=@96年A橋長120m、橋幅7・5m▽3号橋梁(銚子市)=@98年A橋長190m、橋幅7・5m▽4号橋梁(銚子市)=@99年A橋長100m、橋幅7・5m▽5号橋梁(銚子市)=@09年A橋長108m、橋幅7・5m▽永地4号橋(袖ケ浦市)=@88年A橋長32m、橋幅17・2m▽上田橋(袖ケ浦市)=@95年A橋長34m、橋幅15・8m▽富岡大橋(袖ケ浦市)=@95年@橋長99m、橋幅12・8m
【ハザードマップ】
▽石出堰(東庄町)=@江戸期A堤長100m、堤高8・9m、貯水量3万立方m、受益面積66・2ha▽東今泉堰(東庄町)=@江戸期A堤長132m、堤高8・6m、貯水量1万1000立方m、受益面積20ha▽新宿堰(東庄町)=@大正期A堤長130m、堤高8・5m、貯水量5万立方m、受益面積33・9ha▽八丁堰(東庄町)=@不明A堤長450m、堤高5・0m、貯水量18万7000立方m、受益面積100・4ha▽青馬堰(東庄町)=@江戸期A堤長128m、堤高4・5m、貯水量5万5000立方m、受益面積82ha▽三島ダム(君津市)=@65年A堤長128m、堤高25・3m、貯水量540万立方m、受益面積1779ha▽戸面原ダム(富津市)=@83年A堤長139m、堤高31・5m、貯水量435万立方m、受益面積832ha