北海道建設新聞社
2015/10/15
【北海道】札幌・狸小路3丁目の再開発ビル建設が始動−組合設立を申請
札幌市中央区の狸小路商店街と札幌駅前通の交差部で第1種市街地再開発事業を計画する南2西3南西地区市街地再開発準備組合(河関憲幸理事長)は、札幌市に組合設立認可申請書を提出した。再開発ビルは28階建て延べ約4万3000m²の規模を想定。11月中旬にも認可される見通しで、同月中にも本組合を設立し、実施設計に着手する。施工者の選定方法は競争入札を基本とするが、現段階では選定時期を含めて未定。2016年度に権利変換計画認可を経て既存施設の解体除却に取り掛かり、17年度の本体着工を目指す。総事業費は約240億円。
ドン・キホーテなどが入居するサンデパートビルを建て替えるもの。
事業概要案によると、再開発ビルは敷地面積約3700m²にSRC・RC・S造、地下2地上28階、延べ約4万2900m²で計画。6階までの低層階は商業部分が約2万800m²、業務部分が約2100m²。7―28階の高層階に整備する分譲住宅は約1万9200m²で140戸程度。地下1階には750台分を収容する公共駐輪場約800m²を確保する。
拠点的な交流空間を確保するため地上、地下、屋上にはそれぞれ多目的広場を設けるほか、12月下旬に開業する路面電車のループ化に対応した滞留空間を整備。低層階にはにぎわいを創出する商業機能を配置し、地上と地下の空間を一体的に整備する。
事業協力者は大京。事業コンサルタントは協同組合都市設計連合、設計コンサルタントはNTTファシリティーズとプランテック総合計画事務所が担当。権利者は、土地所有者と借地権者合わせて14人。
16年度に既存のサンデパートビルを含む計7棟を解体し、17年度の本体着工、19年度完成というスケジュールを見込んでいる。
札幌市内では同地区のほか、組合施行で北8西1地区、北3東11周辺地区、北4東6周辺地区でも同様のスケジュールで大型再開発事業が計画されているが、14日時点で市に認可申請を提出済みなのは同地区のみ。
狸小路商店街周辺の商業施設を含む大通公園以南エリアは、1972年の冬季五輪に合わせて整備された施設が多く、全体的に老朽化が目立つ。同地区の再開発を契機とした、これら老朽施設の建て替え連鎖が期待されている。