客席集約 事業費約29億 唐津市 外向発売書も移転新築 唐津市は、本年度からボートレースからつ(同市原)スタンド棟の全面改修に着手する。観客席を2階と3階に集約し、1階は地域貢献を目的としたオープンスペースに改修する方針。本年度から基本計画・基本設計の策定に入り、2017年度から19年度の3カ年で改修工事を実施する予定。総事業費は約29億円を見込んでいる。
ボートレースからつは1975年に同市栄町から現在地に移転。競走場の施設規模は鉄筋コンクリート造4階建て・延床面積約3万7222平方b(スタンド棟)で、施設の耐震化やコンパクト化、省エネ対策、映像機能の強化などが課題となっていた。
スタンド棟の観客席は1階から3階に5751席あるが、ファンの高齢化で来場者が減少しており、2階の2400席は閉鎖中となっている。今回の改修で客席を集約し、2階に一般席、3階に有料のロイヤル席や特別席、女性専用シート、ペアシートなどを設ける。1階の活用方法については16年度中にまとめる方針で、隣接する松浦河畔公園の来場者も利用できるフードコート(飲食店街)やコンビニなど、市民が利用できるオープンスペースを想定している。
現在の計画では10月下旬から基本計画・基本設計(スタンド棟の補強計画、各階の改修基本レイアウト、設備内容など)の策定に入り、16年度に実施設計(デザインと技術面および工事施工を考慮した詳細な設計、図面、仕様書、設計書など発注図書の作成)を行う。17年度に2階、18年度に3階の改修工事を施工し、19年度に1階部分の改修を実施する。
事業費の内訳は総工費が約28億円、基本計画・基本設計費、実施設計費が約1億円となっている。
また、同市は一般財団法人BOATRACE振興会の支援を受けてボートレースからつ外向発売所移転新築事業も実施する。現在の外向発売所をスタンド棟の南側に移転する計画で、新施設の延床面積は現発売所の約3倍となる2150平方b。収容人員は300人から500人に増え、発売場数が3場から6場に増加する。
現在の計画では16年度に工事を実施する予定で、設計および工事の発注は同振興会が行う。総事業費は9億5800万円を見込んでおり、このうち1億円が振興会からの補助金となる。