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大分建設新聞社
2015/10/14

【大分】緩やかに回復傾向、建設業は3期連続悪化

 大銀経済経営研究所は、8月20日現在の県内企業252社の7〜9月期(今期)の実績見込みと10〜12月期(来季)の見通しについての景況調査結果を発表した。今期の業況判断BSI(景気動向指数=「景気がよい(増加)―景気が悪い(低下)」)は、前期から5・7?上昇のマイナス8で、2期連続で改善。県内企業の景況感は緩やかに回復傾向にある。業種別では、「製造業」「卸・小売業」「金融・不動産業」「運輸業」で改善するが、「鉱業」「建設業」「サービス業」の3業種で悪化。来期は、今期比2・8?上昇のマイナス5・2と改善する見通し。
 建設業(32社)の調査結果は次の通り。
 ◇業況判断
▽今期=前期比0・8?低下のマイナス28・1で、小幅ながら3期連続で悪化した。内訳は、「よくなった」と回答した企業は前期比5・8?減の6・3%、「変わらない」が同10・9?増の59・4%、「悪くなった」は同5?減の34・4%。住宅投資で持ち直しの動きがみられるものの、公共投資は東九州自動車道関連や県立美術館の建設工事などの大型工事が終了したことから、発注額は前年度比でマイナスが避けられない見通しが、景況感の低迷につながっているとみられる。
▽来期=今期比7・4?低下のマイナス35・5?と悪化する見通し。内訳は、「よくなる」が今期比3・4?増の9・7%、「変わらない」が同14・2?減の45・2%、「悪くなる」が同10・8%?増の45・2%の見通し。
 ◇売上高と収益
▽今期=売上高は前期比22・3?低下のマイナス37・5、収益は同4・7?低下の29と、ともに悪化。
▽来期=売上高は今期比9・4?低下のマイナス46・9、収益は同9・7?低下のマイナス38・7と、4期連続で悪化する見通し。
 ◇資金繰りと金融機関からの借り入れ
▽今期=資金繰りは前期比9・3?低下のマイナス6・3で、借り入れは同16・1?上昇の0となった。
▽来期=資金繰りは今期比18・7?低下のマイナス25と悪化し、借り入れは同6・3?上昇の6・3となる見通し。
 ◇設備投資実施割合
▽今期=実施企業の割合は、前期比10・1?増の31・3%と12年以降では最も高い水準となった。投資目的は、「補修・更新」が70%と高く、「生産能力の拡大・売上増加」が20%。
来期=実施予定企業は、今期比15・7?減の15・6%となる見通し。
 ◇経営上の問題点
 「売上不振」が41・9%と最多、「競争激化」が16・1%、「販売受注単価低下」「人手不足」がともに12・9%、「原材料仕入れ価格高騰」「人材不足」がともに6・5%、「人件費増」が3・2%だった。

提供:大分建設新聞社