愛媛県は、海岸保全施設を整備する区域などを定める「愛媛県海岸保全基本計画」を改正した。同基本計画は、海岸法に基づき2003年12月に策定されていたが、11年3月に発生した東北地方太平洋沖地震を教訓とし、近い将来発生が予想される南海トラフ地震などに備えた地震・津波対策などを見据え改正された。
県下の海岸線延長は約1700`、うち自然海岸を除く約1200`(582海岸)が護岸や堤防など施設整備が必要な海岸となっている。沿岸は燧灘沿岸(今治市、上島町、西条市、新居浜市、四国中央市)の東予地方、伊予灘沿岸(伊方町、八幡浜市、大洲市、伊予市、松前町、松山市、今治市)の中予地方、豊後水道東沿岸(愛南町、宇和島市、西予市、八幡浜市、伊方町)の南予地方に区分され、海岸延長は燧灘沿岸が581`、伊予灘沿岸が383`、豊後水道東沿岸が741`。
基本計画では、「地震・津波」、「高潮」、「侵食」、「施設改良」などを勘案し今後整備を行っていく海岸を「施設整備の必要性を検討する区域」として抽出し、さらに対策の緊急性や背後地の重要度などを踏まえて優先度の高い海岸を「重点整備海岸」として選定、おおむね20年間に重点的に整備を行う。
ブロック別の海岸延長は燧灘沿岸が581`(愛媛県域)で、海岸としての保全延長は317・186`、138海岸、165地区。このうち整備が必要とされる整備対象施設延長は139・182`。より整備の優先度が高い重点整備海岸は三島川之江港海岸(四国中央市)や東予港海岸(西条市)、今治港海岸(今治市)、波止浜海岸(同)など30海岸46地区。
伊予灘沿岸が383`で、保全延長は168・545`、76海岸、92地区。このうち整備対象施設延長は52・630`。重点整備海岸は菊間港海岸(今治市)や中島港海岸(松山市)、松山港海岸(同)、伊予港海岸(伊予市)など20海岸28地区。
豊後水道東沿岸(愛媛県域)が741`で、保全延長は385・758`、164海岸、189地区。このうち整備対象施設延長は148・098`。重点整備海岸は三崎港海岸(伊方町)や三瓶港海岸(西予市)、宇和島港海岸(宇和島市)、御荘港海岸(愛南町)など21海岸29地区。
改正基本計画では、整備が必要とされる整備対象施設延長が前計画と比べ、燧灘沿岸で89・402`、伊予灘沿岸では0・49`、豊後水道東沿岸で89・548`増えている。
提供:建通新聞社