国土交通省香川河川国道事務所や香川県、県警察本部、高松市のほか、西日本高速道路や本州四国連絡高速道路などの道路管理者、ユーザー側の県タクシー協同組合で構成する「香川県渋滞対策協議会」がこのほど開かれ、主要渋滞個所での事業進捗状況と今後の見通し、個別箇所での具体的な提案について意見を交わした。協議会では「より効率的な渋滞対策にはハード整備だけにとどまらず、ミクロの議論として既存ストックを賢く使う検討が必要」との認識で一致。次回協議会で交通特性に着目した渋滞個所を抽出し個別箇所の具体対策について議論する。
県渋滞対策協では12年度から香川管内の一般道と四国管内の高速道路の渋滞対策候補箇所を絞り込み、県内の主要渋滞箇所として1エリア、11区間、28カ所を特定。13年度はバイパスや現道拡幅等の道路整備を進め、道路を賢く使うため、パーク&ライドや自転車利用等を促進するソフト・ハード対策効果について協議会で検証するとした基本方針を決めた。
14年度は「渋滞要因」と「対策メニュー」に基づき、検討主体が主要渋滞箇所で渋滞要因の検証を行い渋滞対策のメニューの検証や実施可否を検討、必要に応じ対策メニューを追加、更新した。
この渋滞対策案の検討では高松市中心部は、時間帯による交通集中と交通容量の超過要因の渋滞箇所が多く、道路整備による交通容量に加え、自転車や公共交通への転換施策が効果的とした。
東讃エリアでは高松自動車道が2車線であり一般道の幹線が国道11号のみであるため、時間帯による交通の集中と交通容量の超過要因で渋滞が発生。道路整備による交通容量の拡大施策に期待。中讃エリアは交差点での交通容量の超過を要因とする渋滞箇所が多く、各交差点の特性に応じた交差点改良と信号現示等の見直しが効果的とした。西讃エリアは一般道の幹線が国道11号であるため、道路整備による交通容量の拡大施策が効果的とする主要渋滞箇所の対策案をまとめている。
15年度はこれを受け渋滞対策箇所の進捗状況と交通旅行速度の低下など効果の発現を確認し、今後の見通しを協議会に示した。協議会では今後、渋滞対策効果が発現できる箇所を抽出し、主要渋滞個所で▽隣接区間の交通量の変化▽右折交通量の変化▽通勤時間帯の交通量のピーク特性▽上下線別の交通量の差異―などを視点に路線交通分析を実施。併せて路線特性に合った対策手法を検討する。同手法としては▽賢く使う取り組み―TDM、リバーシブルレーン等▽交差点改良等―右折レーンの確保等を視点にする。次回協議会で個別箇所の具体対策について検証する。
提供:建通新聞社