国土交通省は、28年6月に建設業許可に新設される「解体工事業」を経営事項審査にも追加する。その際、解体工事業の経審追加で、従来の「とび・土工工事業」の総合評定値(P点)に大幅な変動が生じる恐れがあるとして、28年6月の施行後3年間の経過措置を講じる。とび・土工工事業から解体工事業を分離する際に生じる経審の評価上での完成工事高や技術職員の減少を回避するのが狙いだ。同省は、解体工事業に関する経審の経過措置や解体工事業の技術者制度などを定める建設業法の省令・告示案をまとめ、1日からパブリックコメントをしている。
建設業法の改正で、建設業許可の業種区分に新設される解体工事業は28年6月に施行される予定。
ただし、施行日時点でとび・土工工事業の許可を受けて解体工事業を施工している業者は、引き続き3年間は解体工事業の許可を取得しなくても解体工事を施工できる経過措置が設けられている。許可業種の新設に合わせ、経審にも解体工事業が29番目の業種として新設される。
解体工事業の建設業許可を取得した上で、解体工事の完成工事高、元請け完成工事高、技術職員数を申請すると、解体工事の総合評定値を取得できるようになる。
ただ、解体工事で経審を取得する場合、これまでのとび・土工工事に含まれていた解体工事の完成工事高が抜き出されるため、とび・土工事の完成工事高は減少する。
このため、経過措置の期間中は「とび・土工」と「解体」に加えて「とび・土工+解体」の3種別で完成工事高を申請してもらい、これまでのとび・土工工事と変わらない総合評定値を算出できるようにする。
また、経審の評価項目の一つである技術職員数は、1人の技術職員が保有する資格に応じて2業種まで申請できるが、解体工事の業種新設でとび・土工工事でカウントしていた技術職員数は減少してしまう。経過措置期間は、1人の技術職員が保有する資格に応じ、とび・土工工事と解体工事に加え、ほか1業種の合計3業種まで申請できるようにする。
国交省は、経審の中で完成工事高と技術職員数に関する経過措置を講じるが、経過措置期間中の総合評定値を入札参加資格審査に反映させるかは、各発注者が判断する。
省令・告示案は、11月1日まで行うパブリックコメントの結果を踏まえ、28年6月に施行される予定。
提供:
大分建設新聞社