建通新聞社(東京)
2015/10/07
【東京】都 ホッケー・アーチェリー・テニスの会場計画まとめ
東京都は、2020年オリンピック・パラリンピック競技大会で建設する「大井ホッケー競技場」「夢の島公園(アーチェリー会場)」「有明テニスの森」の3会場の整備の方向を固めた。大井ホッケー競技場は、現在の第一球技場とゲートボール場、ドッグランの場所にメーンピッチを新設し、第二球技場を改修してサブピッチとして利用。アーチェリー会場は予選会場を現在の円形広場の位置に新設し、決勝会場は陸上競技場の場所に仮設で設置する。有明テニスの森は、大会時の既存コートの減少を最小限(37面)に抑えるとともに、大会後は現在の49面に戻す。
大井ホッケー競技場は、オリンピックのホッケー会場、パラリンピックの視覚障害者5人制サッカー・脳性麻痺者7人制サッカーの会場として、大井ふ頭中央海浜公園内(品川区八潮4丁目他)に建設する。当初、6面ある既存の野球場のスペースにメーンピッチとサブピッチを1面ずつ配置することを計画していたが、野球場の北側にメーンピッチ、南側の第二球技場にサブピッチを設置することにした。
メーン施設の構造は未定だが、延床面積約4300平方bの規模を想定。約2600席の座席を配置し、大会時は仮設を含め約1万席を確保する。サブ施設は既存の第二球技場(鉄筋コンクリート一部鉄骨造、延床面積1939平方b)を改修して対応する。固定席536席はそのままとし、大会時は仮設で5000席に増やす。ドッグランとゲートボール場の取り扱いについては、地元自治体の意見も聞きながら引き続き検討していく。
現在、基本設計の委託先を決めるためのプロポーザル手続きを進めており、年内に特定して業務を委託。16年6月納期で成果を得て実施設計に移行し、17年度に工事を発注する方針だ。整備費は約48億円。
アーチェリー会場として利用する夢の島公園(江東区夢の島2丁目)は、立候補ファイル段階では、円形広場南側緑地部分に恒設の予選会場と仮設の決勝会場を整備し、決勝会場に7000席を配置。東京スポーツ文化館(BumB)を取り壊し、「夢の島ユース・プラザ・アリーナA」「夢の島ユース・プラザ・アリーナB」を新設することを計画していた。
その後、アリーナの新設を中止し、馬術の一部会場を馬事公苑(世田谷区)に変更したことから、公園全体で最適な施設配置を再検討。その結果、円形広場の位置に恒設の予選会場を新設し、陸上競技場の位置に決勝会場を仮設で設置することとした。BumBは大会時に関係諸室として利用する。整備費は約24億円。
有明テニスの森公園(江東区有明2ノ2ノ22)は、テニス・車いすテニス会場として使用する。敷地内には、全天候型コートとスライド式開閉屋根を備えた有明コロシアムを含めコート49面、クラブハウスなどがあり、これらを改修・再整備することで対応する。
当初、有明コロシアムを改修してセンターコートとして利用し、ショーコート2面、屋外コート24面、インドアコート8面の計35面とする配置を予定していたが、既存コートの減少を最小限にとどめるよう競技団体から要望があったことから、利用者への影響に配慮した配置を再検討。その結果、大会時に屋外コートを26面として全体で37面を確保しつつ、大会後に屋外コートを39面に戻し、イベント広場の機能を回復することにした。
座席数はセンターコートを1万席(既存)、ショーコート1を5000席(恒設3000席、仮設2000席)、ショーコート2を3000席(仮設)とする。既に基本設計を環境デザイン研究所(港区)で進めており、16年度に実施設計に移行。17年度に着工する予定。整備費として約144億円を見込んでいる。