大阪府は、数で全国4位、密度で全国2位のため池について、レベル2地震動の耐震診断を2015年度から3カ年で100カ所、改修を同10カ年で100カ所実施するなどの「ため池防災・減災アクションプラン案」をまとめた。
ハード対策を中心としつつ、近年の想定を超える自然災害の発生を踏まえ、ソフト対策にも力を入れる方針。
防災・減災対策を重点的に推進するため池は839カ所を選定。@決壊時に下流への影響度大A堤高が高く、貯水量が多いため決壊時エネルギー大B下流に広域緊急交通路重点14路線が存在―の基準で選定した下流影響が大きい765カ所と、老朽度が高い201カ所で構成する(重複あり)。
耐震診断(南海トラフ巨大地震や上町断層帯地震など大規模地震対応)は、対策実施済みの132カ所を除く633カ所が対象。優先順位は、決壊時の被害が大きいA級の全てと、B級のうち大規模地震に対する耐震性評価で耐震性なしと推定されるため池を最優先する。次にB級のうち耐震性あり推定とC級で耐震性なし推定のため池。
診断の結果、耐震性不足の場合は補強検討に着手。新ため池改修計画に随時、最優先案件として追加する。
新ため池改修計画は、老朽度が高いため池のうち、協議を経て実施ため池を選定する。優先順位は、老朽度判定で堤体漏水または堤体・余水吐・取水施設の3工種全てで老朽度が進んでいると判定したA級とB級、堤体・余水吐き・取水施設のうち2工種で老朽度が進んでいると判定するA級を最優先で取り組む。
工事は、老朽化改修のほか、地震対策では下流影響が大きいため池はレベル2地震動に対応した耐震対策、その他のため池はレベル1地震動に対する耐震対策となる。
府内のため池は全部で約1万1000カ所。A級およびB級のため池は表の通り。
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建通新聞社