国交省那賀川河川事務所は、阿南市加茂地区の無堤防地区解消を図る那賀川床上浸水対策特別緊急事業で、2015年度中の初弾工発注を目指して準備を進めている。事業区間は那賀川右岸が約800b、加茂谷川が両岸約1000b。新堤防を建設して抜本的な浸水被害軽減を図るもので、事業期間は15〜19年度の5カ年、事業費64億円を投入する計画。
新堤防の高さは那賀川右岸が3〜7b、加茂谷川両岸が3・7〜6・4b。加茂谷川は河道をほぼ直線にし、樋門と導水路、橋梁1橋も整備する。工事は県との協議により国交省が担当する。
阿南市加茂町の那賀川右岸に加茂谷川が合流する付近一帯は、現在、洪水を安全に流下させる堤防が未整備のため、14年8月の台風11号の洪水では189戸もの浸水被害が発生しており、地元住民から早期の対策実施が要望されている。
新堤防は盛土形式とし天端幅7bを確保する予定。加茂谷川は現在、蛇行しているが、河道を農地の中央部に、ほぼ一直線に付け替える。設計は加茂堤防(那賀川420b、加茂谷川1000b)と橋梁(橋長44・5b、鋼単純合成鈑桁)と道路750bなどを四国建設コンサルタント(徳島市)、樋門2基と導水路約300bなどを建設技術研究所徳島事務所(同)が担当しており、いずれも16年3月までに終える予定。
提供:建通新聞社