成田市は9月定例議会で、医学部新設に係る用地取得案や国際医療福祉大学(本部・栃木県大田原市小金丸2600―1)への用地無償貸付案件を可決した。国の医学部公募で同大学が選定されれば、1期工事に着工し、最短で2017年4月の開学を目指す。また同市では、医学部や附属病院の設置に伴い、先月27日に赤坂ふれあいセンターで住民説明会を開催した。
医学部用地は京成電鉄の所有する京成本線公津の杜駅の駅前で、公津の杜4丁目2番1〜5地先。国際医療福祉大学が看護学部、保健医療学部の設置に向けて、建設を進めている成田キャンパスの西側隣接地。面積は1万4827・38u。取得金額は22億7600万円。用地の取得にあたっては、9月28日から1年を経過しても建設工事が始まらない場合は京成電鉄が買い戻すこととする買い戻し特約を付けた。用地は同大学に市が無償で貸し付ける。貸付期間は本年12月1日〜2046年3月31日の30年間。
医学部の校舎は、敷地北側に1〜2年生棟、南側に3〜6年生棟を整備。建物規模は1〜2年生棟がRC造6階建て、3〜6年生棟がRC造11階建てで、延べ面積は約4万8550u。1期で1〜2年生棟、2期で3〜6年生棟を整備。校舎の建設スケジュールは、本年度で1期工事、来年度で2期工事に着工し、17年4月に開学、その後、18年上半期に2期工事を竣工、同年度中の全体供用開始を目指す。概算総事業費は約160億円(うち建設費約130億円)を見込み、事業費は市と県で最大約80億円を補助する予定。
一方、医学部新設に併せて附属病院の設置も計画。附属病院は医学部の近くに用地がないため、同市が畑ヶ田地先に計画していた畑ヶ田スポーツ広場用地を病院用地とすることで計画。用地は一部民有地を買収し、市有地と合わせ面積は約18万7575uを確保し、同大学に無償貸与する。用地取得費に約4億円、造成工事費に約6億円を見込む。病院の規模はRC造地下1階地上11階建て延べ約9万1000uの計画で、病床数は約600床を見込む。
病院は新会社を設立し、会社が建設及び建物の管理を行うとともに、大学側に施設を賃貸する。新会社は資本金約150億円で、市も出資を検討している。
大学医学部の設置は、国が本年7月に開催した第4回成田市分科会で「国家戦略特区における医学部新設に関する方針」が了承され、同市への設置が決定した。同市は13年9月に国際医療福祉大学と共同で国に「国際医療学園都市構想」を提案。国家戦略特区における規制緩和や医学部新設の解禁を提案した経緯があり、医学部の設置は同大学が最有力視されている。