建設新聞社
2015/10/05
【東北・岩手】設計プロポで類設計室を特定/東京大学の国際沿岸海洋研究センター建替え
東京大学は、岩手県大槌町で被災した国際沿岸海洋研究センターの建て替えに係る基本・実施設計の委託者を公募型プロポーザル方式で選定した結果、評価点が最も高い83・6を獲得した類設計室に特定したと2日付で公表した。近く契約を結ぶ。なお、プロポーザルには同社のほか、梓設計、内藤建築事務所、環境デザイン研究所、久慈設計の5社が参加した。
岩手県大槌町赤浜2の106の1地内で大槌湾に近接していた同学大気海洋研究所国際沿岸海洋研究センターは、東日本大震災の津波で低層階が大きな被害を受けた。現在はセンター研究棟3階部を仮復旧して活動を再開しているが、この施設と千葉県柏市にある大気海洋研究所を行き来しながらの研究活動を余儀なくされているため、建て替えによる本格復旧が喫緊の課題となっている。
新たな研究棟は敷地内の高台に建設。今回の業務ではRC造3階建て、延べ2949平方bの研究実験棟をはじめ、この施設の東側に設けるRC造2階建て、延べ332平方bの共同利用研究員宿舎、湾に近い場所に置くRC造の海水ポンプ室と淡水ポンプ室について、建築・設備に係る基本・実施設計を作成する。
履行期限は2016年3月31日までとし、工事は来年度早々に発注、17年度内の完成供用を目指す。
なお、国際沿岸海洋研究センターは海洋生物の多様性などが高い三陸沿岸に立地し、生態系や沿岸保全分野、生物資源などの研究に取り組んでいるほか、共同研究拠点として全国の研究者に施設や設備、船舶などを提供している。
提供:建設新聞社