建通新聞社(神奈川)
2015/10/05
【神奈川】川崎市 次期建設リサイクル推進計画を策定へ
川崎市は、2016年度からスタートする、次期建設リサイクル推進計画と次期建設リサイクルガイドラインの策定に向けた検討を進める。検討業務を日本能率協会総合研究所(横浜市港北区)に132万円で委託した。履行期限は2016年3月31日まで。
ことし7月にまとめられた関東地方版の建設リサイクル推進計画2015に準じて次期計画の目標値、目標年次を検討し、15年度中に策定する。現計画では、建設汚泥の再資源化・縮減率が目標を大幅に下回っていることから、建設汚泥を資材として有効活用する筋道をどう立てるかが大きな課題になりそうだ。
川崎市の現行の建設リサイクル推進計画の達成状況をみると、アスファルト・コンクリート塊とコンクリート塊の再資源化率は、14年度実績が99・9%、99・1%と、15年度目標値の「99%以上」をクリア。建設発生木材の再資源化率の実績値は93・2%と目標値(81%)を上回り、再資源化・縮減率も94・7%となり、ほぼ目標値(96%以上)通りの数値になった。
一方、建設汚泥の再資源化・縮減率の15年度目標値は85%。これに対して14年度の実績値は46・3%と、目標値より約40ポイントも下回っている。建設廃棄物全体での再資源化・縮減率94%以上という目標値に対して、14年度実績値が90・3%。これは建設汚泥が全体の足を引っ張っている格好だ。
14年度の建設汚泥の排出量は約2万8000d。川崎市の場合、現在、横浜市と同様に例外的に建設汚泥の海洋投棄が認められているが、今後は海洋投棄が見直される方向にある。また、加工処理した建設汚泥も地方の管理型の受け入れ施設に搬入している。建設汚泥をどう利用していくかが課題として残る。
東京を中心としてビルの更新、再開発などが重なり、コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊の排出量が増えていて、再利用できる工種も限られているため、再資源化施設で在庫がだぶついているという。川崎市内では今のところ、再資源化率は目標値を上回っているものの、こうした周辺の動向を注視していく。
また、建設発生土の有効利用率は15年度の目標値「92%」に対して、14年度の実績値は79・2%と、目標を下回っている。現行の計画では、建設現場で使用した土砂のうち、どれだけ建設発生土を利用したかを指標としているが、次期計画では排出した建設発生土をどれだけ有効利用したかを指標とするため、川崎区浮島の埋め立てに活用している建設発生土もカウントされることになり、次期計画では「建設発生土有効利用率」が飛躍的に高まる見通しだ。
提供:建通新聞社