熊本県土木部は10月から、契約変更に先立って発注者が受注者に示す「指示書」に増減概算額を明示する。九州地方整備局が9月から適用しており、県市町村レベルでは早い取り組み。概算金額明示は、意見交換の中で業界団体が強く求めていた。追加工事などに要するコストにある程度の確証が得られるようになり、施工の更なる円滑化が期待できる。
土木部は、改正品確法で求められる発注者責務に応えるため、手続きやルールを明確にした受発注者の共通指針として、土木工事設計変更ガイドライン等を策定し、4月から運用している。しかし、概算金額を示すようには明記していなかったため、ガイドラインを一部改訂し明文化した。
概算金額の明示では、契約変更に先立って変更指示を行う場合、指示書にその内容に伴う増減額の概算額を記載する。ただし、受発注者間協議で変更する場合は、協議時点で受注者が見積書を提出した場合に限り、発注者は見積書の妥当性を確認したうえで、指示書に概算額と積算の根拠を記載する。受注者から見積書の提出がない場合は、概算金額を記載しない。
指示書への概算額の記載方法と考え方については▽概算金額は、受注者からの見積書(妥当性を確認したもの)のほか、類似する他工事の事例や設計業務等の成果、各種協会の積算資料等を参考に記載することもできる▽概算金額の出典(「受注者の提示額」など)や算出条件(直工ベースなのか、請負額ベースなのかなど)についても記載する▽概算金額は百万円単位を基本(百万円以下の場合は十万円単位)とする▽記載する概算金額は「参考値」であり、契約変更額を拘束するものではない▽緊急的に行う場合または何らかの理由により概算金額の算定に時間を要する場合は、「後日通知する」ことを添えて指示する。
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西日本建設新聞社