愛媛県は、小田河辺大洲線(大洲市肱川町)でバイパス整備事業を進めており、用地取得が進めば2016年度以降、大幅に工事の進捗(しんちょく)が図られる。区間内には鹿野川トンネルや橋梁2本(河辺1・2号橋)の建設が計画されており、国土交通省が事業を進めている山鳥坂ダム本体工が着工する20年度の完成を目指す。
バイパス延長は1120b、車道幅員5・5b(全幅7b)。場所は大洲市肱川町山鳥坂。事業採択は05年度で08年度から用地買収に着手している。全体事業費は28億円を見込む。区間内の工事は10年度に一部山切り工を行ったのみで、9月に入札した河辺2号橋の橋台1基が2件目となる。その他の地区で用地買収が完了した箇所がなく次年度以降、用地買収が進めば本格的に工事に入る方針。
当面は河辺2号橋付近の用地買収を推進し、まとまり次第、残る橋台1基と橋脚2基の早期発注を目指す。バイパス区間の東側には現道拡幅区間が220bあり、同地区も用地買収が完了次第、早期発注に努める方針。
鹿野川トンネルの概要は延長526b、幅員は2車線の5・5b、全幅員6・5b。東側抗口から掘削。トンネル工は約3カ年の工期が見込まれることから18年度の発注となるもよう。
橋梁の概要は河辺1号橋が延長53・5b、幅員7b(2車線)、下部工は橋台2基、上部工は鋼製メタル桁。
河辺2号橋が延長90b、幅員7b(2車線)、下部工は橋台2基、橋脚2基、上部工は単純プレストレストコンクリートプレテンホロー桁と2径間連続プレストレストコンクリートコンポの複合桁。
両橋とも設計は四国建設コンサルタント愛媛支店(松山市)が担当した。
事業は、大洲市河辺町から国道197号までの区間について山鳥坂ダム建設工事の工事用道路兼付け替え県道として計画され、ダム事業と併せて地元の同意を得ているが、ダム計画見直しにより工事用道路としての整備ができなくなった。しかし、同区間のある肱川地区は住家が連担しており幅員狭小・線形不良ながらダム建設に係る工事用車両の通行量が多く見込まれることから、延長1120bをバイパスとして整備することとなった。
提供:建通新聞社